サージカルスモーク論文のJBJS掲載・表紙採用のご報告と今後の研究発展に向けて
更新日 2026.8.24
この度、私が船橋市立医療センター在籍時に研究を立案・実施した、整形外科人工関節手術におけるサージカルスモークの発生状況に関する論文が、The Journal of Bone & Joint Surgery (JBJS)に掲載され、2026年8月19日号(Volume 108, Issue 16)の表紙に採用されましたので、ご報告申し上げます。
https://www.jbjs.org/archive.php?j=jbjs&y=2026&v=108&i=16
サージカルスモークは、電気メスなどで組織を焼灼した際に生じる煙のことで、PM2.5などの有毒物質を含むとされています。近年、米国では多くの州で排煙装置が義務化されるなど、健康への影響が広く認識され始めていますが、日本ではまだ十分に対策が進んでいるとは言えません。また整形外科分野では、他領域と比較してエビデンスが不足しており、特に人工関節手術中におけるサージカルスモークの発生状況に関する研究は過去にありませんでした。そこで本研究では、人工関節手術の術式・アプローチによるサージカルスモーク曝露の違いを明らかにすることを目的としました。
本研究のpilotデータは、2023年の教室例会で、当時船橋市立医療センターのローテーターだった鈴木諒先生に発表してもらい、例会Awardをいただいたこともあり、内容を覚えていらっしゃる先生もいるかもしれません。本研究はその後、前向きにデータをさらに蓄積し、まとめたものになります。内容を簡単にまとめると、Direct Anterior Approachで行うTHAと比較して、Direct Lateral Approachで行うBHAとTKAは手術早期に高濃度PM2.5が発生しており、健康への影響が懸念されるレベルに到達していたという内容です。詳細はぜひ紙面をお手に取って読んでいただければ幸いです。
本研究実施にあたり、実際に人工関節手術を行った船橋市立医療センターの池之上純男先生、矢野斉先生(ちなみに表紙の右手は矢野先生の右手です)をはじめとするスタッフの先生方、手術・病棟管理で協力いただいた鈴木諒先生をはじめとするローテーターの先生方に改めて感謝申し上げます。
整形外科分野におけるサージカルスモーク研究はまだ十分ではありません。現在私は留学中ですが、帰国後にはさらに本研究を発展させていきたいと考えています。アイデアはまだまだありますが、私一人では本研究を進めることはできません。つきましては、本研究に興味のある先生がいらっしゃいましたら、ぜひ気軽に私にご連絡をいただければ幸いです。ぜひ一緒に研究を進めていきましょう!今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



