日本人のロコモ度テスト性・年代別基準値の作成
更新日 2019.1.4
「日本人のロコモ度テスト性・年代別基準値の作成」調査へのご協力のお願い
1.調査の概要について
【調査の目的】 健康寿命の延伸が国の健康政策の目標となり、運動器の障害が要介護の大きな原因の一つになっています。ロコモティブシンドローム(ロコモ)は「人が立ち、歩く機能」すな わち、移動機能の低下した状態を意味し、日本整形外科学会を中心に移動機能の評価と改善することへの取り組みが進んでいます。さらに移動機能は若いうちから少しずつ低下し、高齢になると急激に低下することが国内外の研究から知られています。しかしながら、日本人の自分の年齢ではどれくらいの移動機能が正常なのかは全国レベルではわかっていません。そこで、今回の調査は、他者の介助なく歩ける日本人の、年齢に応じた移動機能をロコモ度テストという方法で調べること、さらに移動機能の低下に関係する因子(骨粗鬆症やサルコペニアの罹患状況および立位バランス能力)を調べることを目的とします。
【調査方法】 本調査は他者の介助なく歩ける地域在住の一般の方にお願いしております。
調査の統括はロコモチャレンジ!協議会および千葉大学大学院医学研究院整形外科学が行い、データ収集はロコモチャレンジ!協議会主体で自治体,ロコモティブシンドローム啓発協力団体,ロコモチャレンジ!協議会協賛企業等と協力して開催する各地域でのイベントにて、個人情報が分からないような質問および測定方法で行います。
尚、ロコモチャレンジ!推進協議会とは日本整形外科学会が、ロコモティブシンドロームを、医療・企業・行政の枠を超えて取り組むテーマと捉え、広くロコモを啓発し、ロコモに負けない社会を作ることを目的に創設された団体です(設立年月 2010年8月, 事務局 東京都文京区)。
【御協力をお願いする内容】(全所要時間 40分程度)
- 質問票への御回答(所要時間 5分程度)
年齢、性別、身長、体重、お住まいの地域(郵便番号)、職業、運動習慣、食事、既往歴についての簡単な質問にお答えいただきます。
② 移動能力検査(ロコモ度テスト)(所要時間 15分程度)
立ち上がりや踏み出しのテストを実施していただきます。また、日常生活での困難度や痛みについての質問票(ロコモ25)に記入していただきます。
③ 骨粗鬆症やサルコペニア(筋減少症)の罹患状況および立位バランス能力検査
(所要時間 15分程度)
骨粗鬆症に関連するアンケート調査(FRAX)、サルコペニア(筋減少症)に関するテスト(握力と筋量測定)および立位バランス能力テスト(片脚立位時間測定)を実施していただきます。
実際の検査内容
・立ち上がりのテスト
このテストでは,どのぐらいの高さから立ち上がれるかを測定します.
両脚で台から,両腕を組むようにして両手は肩に当て,反動を付けずに立ち上れるかを
評価します.
台の高さを40cm ⇒ 30cm ⇒ 20cm ⇒ 10cmと順次低くしてテストを行います.
・踏み出しのテスト
このテストでは,できる限り大股で2歩いて,両足を揃えて止まることができるかを検査します.その際に,歩幅をつま先先から,着地点のつま先まで計測します.
・立位バランス能力テスト
このテストでは,片脚でどれだけの時間立っていられるかを検査します.
目を開けた状態で,片手で手すりを握った状態から片方の足を静かに上にあげ,さらに手すりをはなして片脚立ちをしていただきます.
体の一部が手すりに触れた時あるいはもう片方の脚が床に触れるまでの時間を測定します.
2.個人情報の保護と調査結果の公表について
この調査では氏名、生年月日、具体的な住所等、個人を特定できるものはお聞きせず、データに含みません。同意書と質問票(匿名化された紙ベースのデータ)は別々に保管いたします。また匿名化された紙ベースのデータはロコモチャレンジ!推進協議会および千葉大学大学院医学研究院整形外科学が厳重に保管し、漏えいすることのないよう慎重に取り扱います。調査結果は、報告書、学会発表、論文、パンフレットなどの形で公表しますが、個人が特定される形での発表はありません。なお身体機能の検査の結果についてはその場でお伝えできます。全体の結果については最終的な結果がまとまった以降であ ればお伝えすることができます。
3.研究協力の任意性と撤回の自由および検査の安全性について
この調査にご協力いただけるかどうかは、参加者の皆様の自由意思に委ねられています。 調査にご協力いただけない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。また、ご参加いただける場合でも、途中で取りやめたいと思われた際には直ちに同意撤回して参加を中止できます。
また、ロコモ度テストのうちの2つの機能検査は、一般的な中高年者を対象として安全性を慎重 に検討して考案された検査で危険を伴うものではないため、測定中のけが、測定後の筋 肉の痛み、転倒などについては、検査に立ち会った者に明確な過失がある場合を除いては、治療費などの支給はできかねることをご了解ください。現在のところ事故や転倒などの報告はありません。ただし、安全性をさらに確保するために、やり方を熟知した者が立ち合い、万が一転倒などで怪我をすることになった場合は、速やかに健康保険診療に基づく 医療的処置を行い対応します。
この調査は、千葉大学医学部の承認を受けて実施し、本調査に関して開示すべき利益相反関係はありません。ご意見、ご質問などがございましたら、お気軽に下記までお寄せください。
研究代表者 大鳥精司
千葉大学大学院医学研究院 整形外科学 教授
〒260-8670 千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1
千葉大学大学院医学研究院 整形外科医局
043-226-2117(代表)
千葉大学 国際教養学部 准教授 山口 智志
ロコモチャレンジ!推進協議会 委員長 大江 隆史