東京音楽大学における講義およびメディカルチェック実施報告

更新日 2026.3.19

平成19年卒 金塚 彩

2025年11月21日、東京音楽大学にて、講義および上肢メディカルチェックを実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

 

本講義では、「演奏家のための健康的な演奏習慣―上肢障害の予防と対処法―」(金塚 彩)、「上肢の機能解剖―手内筋と外在筋のしくみについて考える―」(松浦 佑介先生)、「一般的な手の疾患とその治療」(池田 耀介先生)の3題について講義を行いました。松浦先生、池田先生には実際の症例を交えながら、分かりやすくかつ興味深いご講演をいただき、会場からは時折笑い声も聞かれるなど、終始和やかな雰囲気の中での講義となりました。

 

また、船橋整形外科番町クリニック作業療法士の草木 妙子先生を中心に、新入局員の竹内遼弥先生、当大学医学部1年生の森 秋菜さんにもご協力いただき、身体機能計測を実施いたしました。ピアノ演奏においては手指の巧緻運動が求められる一方で、肩や肩甲帯、体幹といったより近位の機能や安定性も、手指のパフォーマンスを最大化する上で重要な要素であると考えられます。そこで本年度は、体幹安定性、関節弛緩性、手のサイズ、握力などの評価を行いました。医学生の森さんは現在もバイオリン演奏活動を継続されており、本メディカルチェックにも参加することでPAMの具体的なイメージを深めることができたとの感想をいただいております。

 

さらに、学生を対象として「演奏家のための簡単10分でできるウォームアップ」について、当院リハビリテーション部作業療法士の近藤 敬一先生より解説を行い、ワークショップ形式で実際に身体を動かしながら体験していただきました。これまでの調査から、技術的発達過程にある学生の中には、器質的異常が認められないにもかかわらず、中等度から高値の痛み(NRS)を自覚する例も複数認められており、参加者は皆真剣に取り組み、活発な質疑応答が行われました。

 

本講義やメディカルチェックは、医療者側にとっても音楽教育現場への理解を深める貴重な学びの場となっております。毎年日程調整や会場準備を含め多大なるご尽力を賜っております東京音楽大学教授 石井克典先生、ならびに当日ご同席いただきました同大学教授 稲田潤子先生に、心より御礼申し上げます。また、手外科手術日にもかかわらず本活動への参加をご理解・ご支援いただきました山﨑貴弘先生をはじめ、手外科グループの皆様に改めて感謝申し上げます。

  • 1金塚講義風景
  • 2講義会場の全景
  • 3松浦先生講義風景
  • 4池田先生講義風景
  • 5ウォームアップのワークショップ
  • 6関節弛緩性評価