「千葉手・肘の外科研究会 Cadaver Workshop 2026」ならびに「OT/PT Cadaver Workshop 2026」開催報告

更新日 2026.9.22

千葉大学大学院医学研究院 整形外科学
山崎 貴弘

 2026年9月4日、5日の2日間、千葉大学クリニカルアナトミーラボにおいて「千葉手・肘の外科研究会 Cadaver Workshop 2026」ならびに「OT/PT Cadaver Workshop 2026」を開催いたしました。

 本Workshopでは、手関節・肘関節の関節鏡、超音波を用いたSonoanatomy、肉眼解剖などを通じて、日常診療や手術、リハビリテーションに直結する上肢の臨床解剖について学びました。実際の解剖を詳細に確認しながら、普段の診療で抱いている疑問を一つひとつ確かめることのできる、大変貴重な学びの機会となりました。

 このような実習は、医学・医療の発展を願い献体くださった皆様の尊いご意思によって成り立っています。献体者の皆様ならびにご遺族の皆様に、あらためて心より感謝申し上げます。私たちは、そのご意思を大切に受け止め、今回得られた学びを今後の診療、手術、リハビリテーション、そして次世代の医療者の教育へとつなげてまいります。

 また、本Workshopの開催にあたり、ご指導いただきました講師の先生方、ご協力いただきました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

 以下に、参加者から寄せられた感想をご紹介いたします。

 

香川大学医学部附属病院 整形外科

小野 健太郎

 今回、千葉手・肘の外科研究会に参加し、手関節鏡・肘関節鏡の手術手技と、手・肘領域の臨床解剖を学ばせていただきました。日々の診療で感じている疑問を確かめ、より安全で確実な手術につなげたいという思いで実習に臨みました。

 手関節鏡と肘関節鏡の実習では、鏡視下で見える構造を肉眼解剖と照らし合わせながら確認しました。関節内の構造と周囲の神経・血管との位置関係を併せて捉えることで、鏡視下の映像だけではつかみにくい立体的な解剖への理解が深まりました。また、ポータル周囲の解剖を確認しながら、器具の挿入方向や操作できる範囲を自分の目と手で確かめることで、これまで学んできた知識を、実際の手技と結びつけることができました。

 通常の手術では、確認する機会の少ない解剖を詳細に確認したり、疑問に思う部分を納得するまで観察したりすることには限りがあります。今回の実習では、手を止めて周囲の組織を確認しながら、ひとつひとつの操作の意味を考える時間を持つことができました。単に手順を覚えるのではなく、なぜその位置から進入するのか、どの組織を保護しなければならないのかを、実際の解剖に基づいて学べたことは、今後の診療に直接つながる経験となりました。

 このように、日頃の疑問に立ち返りながら解剖と手術手技を学べる機会は、決して多くありません。貴重な学びの機会を与えてくださった献体者の皆様、そしてご遺族の皆様に、心より感謝申し上げます。献体に込められた尊いご意思を忘れることなく、今回得た知識と経験を日々の診療や手術に活かし、患者さんへのより良い医療につなげてまいります。

 

船橋整形外科西船クリニック 理学療法士 福冨 仁

 

 今回私は初めてクリニカルアナトミーラボに参加させていただきました。

 理学療法士として13年目となりますが、献体者の皆様から直接学ばせていただく機会は初めてであり、大変貴重な経験となりました。

 理学療法士は患者様を手で触り、手で感じ取り、手で改善に導くことが非常に多くあります。そのため、直接目で確認することができない筋肉や神経、関節などの構造をイメージしながら治療を行うことに対して、どのように向き合うか日々悩んでおりました。このような貴重な機会を与えていただき、これまで持っていた知識をより深く捉えることができ、今後の治療に対する考え方をさらに深める貴重な機会となりました。

 今回学ばせていただいたことを、今後の患者様への触れ方や身体の動かし方、リハビリテーションの内容に反映し、患者様へ還元していきます。

 医学・医療の発展のためにご献体くださった皆様、大切な方とのお別れの中で献体者の尊いご意思を支えてくださったご遺族の皆様へ厚く御礼申し上げます。

 今回の経験を今後の理学療法士としての臨床に活かし、より良いリハビリテーションを提供できるよう努めてまいります。