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第22回 整形外科痛みを語る会 最優秀賞受賞にあたり

更新日 2025.7.1

未来医療教育研究機構 清水啓介

 令和7年6月28日、29日の二日間にわたり、群馬県高崎市で第22回整形外科痛みを語る会が開催されました。本会は全国より痛みの基礎研究、臨床研究のエキスパートが集い、時には激しい議論が交わされる夏の風物詩ともいえる研究会です。この度折田純久先生、降旗裕博先生と参加し、最優秀賞を受賞させて頂きましたためご報告させていただきます。

 降旗先生は「動物急速破壊型股関節症モデルの疼痛機序の検討」について発表されました。終了直後より質問ゾーンは多くの先生で溢れかえり、中にはスパイシーな質問もありましたが、ご自身の考察を丁寧に説明されている姿がとても印象的でした。その後の懇親会では股関節領域で疼痛の研究をしたい!と、研究意欲に火がついている姿を拝見し、我々若手が更に疼痛研究に参加し、推進していくことは大変重要であるように感じました

 私はシンポジウムでは「痛みセンターの現状と課-集学的治療で治る患者と治らない患者-」と題した話題提供をさせていただき、一般演題では「CBTに抵抗性を認める難治性慢性腰痛におけるneuropsychological markerの同定」について発表させて頂きました。脳波の複雑性を指標にした研究で、整形外科にとっては馴染みのない内容ではございますが、今後の集学的治療をより発展させるうえでは避けられないテーマであり、多くの貴重なご意見、ご質問をいただきました。

 忘れもしない第19回の高知開催の日、基礎研究をしたことがなかった私には演題の99%が理解できず非常に悔しい思いをしました。その夜、稲毛先生、折田先生と杯を交わしながら、「大学院に入ると解決ができる」と大変貴重なお言葉を頂戴し、その翌年に博士課程に入り基礎研究を始めました。今の私のルーツともいえる学術集会で受賞ができたことは受賞以上の意味がございます。これも、日頃ご指導いただいております整形外科先生方のお力添え、そして私のような異端を認めてくださる整形外科の多様性ある風土の賜物と存じます。また、痛みを語る会の全ての先生方にも心より感謝申し上げます。この会に参加し、先生方と議論をかわすことで無事に夏を迎えられる、そのような気持ちになる節目の会として私は位置付けています。

 最後となりますが、このような研究を支えてくださいます、大鳥精司教授、折田純久教授、稲毛一秀先生をはじめとした教官の先生方、同門の先生方に改めましてこの場をお借りしてお礼を申し上げます。また、幹事の善衆会病院恩田啓先生、スタッフの皆様にも心より感謝申し上げます。

 来年は7月4日、5日の日程で佐賀大学整形外科教授森本先生のもと、唐津シーサイドホテルという高級リゾートホテルにて開催が決定しております。【公式サイト】唐津シーサイドホテル<https://www.seaside.karatsu.saga.jp/>

 千葉大メンバーで今後も更に痛みを語る会を盛り上げられると思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。