整形外科 Cadaver Workshop in Chiba <Knee>
Basic CAL course
更新日 2019.7.10
令和1年6月29日 開催
令和元年6月29日に整形外科Cadaver Workshop in Chiba <Knee> 〜Basic〜 が千葉大学Clinical Anatomy Lab (CAL)で開催されました。
本コースは整形外科専門医を目指すシニアレジデントを対象に、膝関節周辺の解剖や機能を理解し、基本的な膝の関節鏡手技の体験・習得を目的としました。教官、大学院生の指導のもと、実際の手術器具を用いて関節鏡視下手術ならびに膝周囲の展開方法と臨床解剖を行いました。
今回も千葉大学医学部附属病院、千葉県こどもとおとなの整形外科の理学療法士の方々も参加され、手術風景・手技に加え、下肢機能解剖について理解していただく機会となりましたら。また、指導する側の大学院生にとっても解剖などの知識を改めて確認する貴重な機会となりました。参加者からはすぐにでも臨床で活用できる有益な実習ができたとの声を頂き、医療の質の向上に少しでも貢献できたのではと喜ばしく思います。
この様な大変有意義なワークショップを開催できたことに、献体頂きました千葉白菊会の皆様およびCAL運営スタッフの皆様に心より御礼申し上げます。また共催頂きましたNPO法人 千葉医師研修支援ネットワーク事務局の方々に厚く御礼申し上げます。
参加者の声
平成29年卒業 高野 冴加
2019年6月29日、Cadaver Workshop in Chiba<Knee>に参加させていただきました。今回は膝関節鏡手術の基本、関節鏡手術のアプローチ、膝関節の解剖について学ばせていただきました。膝は診察手技が多い場所であり、自分は診察所見一つとるだけでも判定に悩むことが多かったのですが、今回解剖して初めてわかることが多くありました。例えば膝の前方引き出しテストでも、解剖した状態で施行することで膝関節の中での前十字靭帯の働きを直接確認することができました。
また関節鏡手術も普段は上級医が施行し助手として傍らで見ることが多かったのですが、今回は自分が施行しつつ解剖の説明をしてもらえたことで、各靭帯や腱が膝関節の中でどれぐらいの深さにあるのか、靭帯の張り具合などの感触を実感することができました。
Cadaver Workshopはご厚意でご献体してくださった方とそのご家族、環境生命医学スタッフの先生方、千葉大学整形外科の先生方、千葉白菊会の方々など、数多くの人々のご協力があって初めて開催されることができるセミナーです。それだけに得られる学びは多く、どれもが貴重であり、ぜひ今後の診療に活かしたいと存じます。
準備してくださったこと、参加させてもらえたこと、教えてくださったことに深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
平成29年卒業 具志堅 翔
この度はCadaver Workshop in Chiba <Knee>に参加させて頂きとても貴重な経験をすることができました。
前半は膝の関節鏡の基本手技について丁寧に教えていただきました。
関節鏡は普段、自分で操作する機会が少なく、とても貴重な経験をすることができました。また、先生方が普段の手術で観察する流れや、注意すべき点等についても詳しく教えて頂きながら、操作を勉強することができました。簡単そうに行なっている手技を、実際に自分で行うことで手技の難しさや、助手としての注意点についても改めて学ぶことが出来ました。また、関節鏡で確認した構造物について、直視下で確認を行い、ACL等の切断前後での身体診察の違いについても学ばせていただきました。
後半は我々、若手の整形外科医が関わることの多い、外傷の手術で必要な解剖知識を中心に基本から勉強させていただきました。
普段の手術におけるアプローチや、手術中に注意が必要な血管や神経の走行、構造物を確認させて頂きました。また、膝窩部等の普段あまり大きく開けることのない部位の構造物についても勉強させていただきました。日頃の手術では、これらの解剖についてじっくりと確認することはできず、今回の解剖はとても貴重な体験となりました。また、明日からの診療に直結する内容で非常に勉強になりました。
入局1年目という立場で、このような経験をすることが出来たことにとても感謝しております。今回のワークショップで学んだことを日常診療で生かせるように、今後も日々努力を重ねていきたいと思います。
最後になりましたが、このような機会を用意してくださった、千葉大学整形外科の関係者の皆様、鈴木崇根先生を始めとした環境生命医学の皆様、ご献体いただきました千葉白菊会の皆様に、心より御礼申し上げます。
千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科
理学療法士 雨宮壮太
先日は整形外科Cadaver Workshop in Chiba <knee>に参加させて頂き、非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。
関節鏡視下手術については画像や映像では見たことがありつつも、実際の手順や目的などは未知の領域でありました。今回先生方に実際の手技を行っていただき、ポータルの作る様子や関節鏡視下での観察点を教えて頂き、先生方が何を考えながら行っているかを知ることができました。
解剖については説明をしながら表在から深部へと切開を進めて頂いたのでイメージがしやすく、とてもわかりやすかったです。また、所々で実際に触れ、直視を行いながら腱や筋のEnd Feelを感じる体験をさせて頂いたことはこれまでに無い経験だったので、今後の臨床に活かせると思いました。
私たち理学療法士は軟部組織にアプローチすることが多いですが、実際には表在から患者様を観ることが多く、内部を実際に見ることができません。今回のワークショップで教科書では学ぶことの出来ない組織同士の位置関係や構造を学ぶことができ、今後のスキルアップに繋げたいと思います。
最後にこのような勉学の場を設けてくださったスタッフの皆様、ご指導頂いた先生方、協力して頂いたご献体とそのご家族に感謝申し上げます。