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セミナー/コラム

筑波・千葉 Cadaver Workshop(Spine)2019

Advanced CAL course

更新日 2019.8.23

令和1年8月18日 開催

千葉大学整形外科 H18年卒
牧 聡

8月17日から18日にかけてClinical Anatomy Lab(CAL)にて筑波大脊椎グループと、千葉大頚椎グループが合同で筑波・千葉Cadaver Workshop 2019を開催いたしました。8月17日にはアプローチの講義と症例検討会を含むセミナーと懇親会を行い、翌日18日にはworkshopを行いました。

 

筑波・千葉両大学の若手脊椎外科医(大学院生)のための脊椎の解剖知識と手術手技の習得と、相互交流を目的とした会で、今回で5回目を迎えました。今年も昨年と同様、脊椎志望を考えている後期研修医にも対象を広げて会を開催いたしました。研修の内容は脊椎後方除圧固定などの基本手術手技から胸腰移行部のアプローチのように執刀機会が少なく解剖の理解がしづらい手技まで幅広く行い、参加された先生の経験に応じて解剖と手術手技の確認となったと思います。本会が若手脊椎外科医の手術手技のブラッシュアップと後期研修の先生が脊椎外科を志すきっかけになれば幸いです。

 
最後になりますが、本実習に際して多大なるご尽力を頂いた鈴木崇根先生を始めとする環境生命医学スタッフの方々、およびCALの趣旨に同意・賛同頂きました白菊会の方々に心より御礼申し上げます。

 

参加者の声

熊谷総合病院 整形外科
白谷悠貴

私は、千葉大学のClinical Anatomy Lab(CAL)で筑波大脊椎グループと千葉大頚椎グループ合同の第5回筑波・千葉Cadaver Workshopに参加させていただきました.千葉大学からは教官の古矢先生,牧先生をはじめ,大学院の先生方やローテーターの計8名が参加しました.大学の教官の先生方が前日の17日に講義をしてくださり,解剖の確認をした上で,当日は3つのグループに別れて主に胸腰椎のアプローチを学びました。私はまだ経験が浅く,段々と脊椎疾患の手術に触れる機会が増えてきたところです。ご遺体を用いてより深く解剖を学ぶことは,日々の診療を向上させる本当に貴重な経験であると感じました.実際に執刀する機会のあった手術や見たことしかなかったアプローチ,見たこともなかったアプローチ,非常にたくさんの内容を1日という短い時間の中で濃密に学習することができ,大変勉強になりました.鈴木崇根先生を始めとするCALスタッフの皆様と,なによりもCALの理念を御理解いただき,御献体頂きました白菊会の方々と御遺族の皆様に心よりの感謝を申し上げます.最後になりますが,1日を通じて指導してくださった千葉大学の先生方と山崎教授,国府田先生をはじめとした筑波大学の先生方にお礼申し上げます.

筑波大学大学院1年
江藤文彦

この度、千葉大学医学部で開催された第5回筑波千葉カダバーワークショップに参加いたしました。筑波大学からは山﨑正志教授をはじめ14名が参加し、前日の準備や講義、症例検討会から千葉大学整形外科頚椎班の先生方と共に勉強させていただきました。

 当日ははじめにクリニカルアナトミーラボの鈴木崇根先生から解剖に関する法律や本邦における現状と問題点などについてご講義いただきました。

 午前は後期研修医をはじめとした若手の医師が手術を実践し、大学院生やスタッフの先生方が指導をしながら解剖や手技の再確認をしました。私自身は3回目の参加でしたが、はじめて参加した医師8年目のときに大学病院や関連病院の先生方に手厚くご指導いただいた経験が脊椎外科医を志すきっかけの1つになりました。今回参加していた若手の医師たちも大きなモチベーションにつながったのではないかと思います。

 午後は筑波大学と千葉大学に分かれて主に大学院生が実習させていただきました。私は事前に希望していた頚椎疾患に対する前方アプローチと除圧操作に関して國府田正雄准教授に細かくご指導いただきました。また、損傷すると重篤な合併症につながりうる神経や血管の解剖についても、写真や動画に比べてはるかに実践的な知識を習得できました。今回の実習で得た知識と手技を実際の手術に還元すべくこれから精進していきたいと思っています。

 このような貴重な機会を下さりましたクリニカルアナトミーラボの鈴木崇根先生、古矢丈雄先生や牧聡先生をはじめとした千葉大学整形外科頚椎班の先生方に感謝いたします。

 最後になりましたが、ご献体いただきました白菊会の皆様に心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

茨城西南医療センター病院 整形外科
奥脇駿

2019年8月17日から18日の2日間、今回で5回目となる筑波・千葉 Cadaver Workshopに私自身としては初めて参加させていただきました。千葉大学整形外科教室の先生方と共に、筑波大学からは山崎教授をはじめ講師の先生方と脊椎外科医、また脊椎外科医を志望する整形外科医の総勢14名が参加しました。

 初日は千葉大学と筑波大学の講師の先生方から脊椎手術のアプローチや解剖などの講義があり、実際の手術動画などを供覧しながら理解を深めました。2日目は早朝からでしたが、Cadaver Workshop開催にご尽力いただいている鈴木崇根先生から現在の我が国の解剖の現況やこれまでの経緯などご講義いただきました。

 講義のあとは各班に分かれ、午前中は3時間、午後はおよそ2時間の時間でそれぞれ事前に決めたアプローチ・手術手技の確認やその周囲の解剖を学びました。私の班では、手術の際に実際に使用するインプラントを普段の手技で挿入し、実際にどのような軌道で体内に挿入されているかの確認や、その周囲の解剖を実際に展開して触れることでその手術における起こり得る合併症や注意点を再度確認することができました。また午後は現在の勤務施設では対応できないような稀な症例などが対象となりました。実際には自分で執刀する機会も少ない部位について、経験ある講師の先生に直接指導頂きながら手術方法や解剖、注意すべきポイントなどを学べることができ、非常に重要な経験となりました。

 最後になりますが、クリニカルアナトミーラボを運営しこのような機会をご準備していただいた鈴木崇根先生、古矢丈雄先生をはじめとした千葉大学の先生方、ご指導いただきました指導医の先生方、そして何よりご献体いただきました白菊会の皆様に心より御礼申し上げます。今回学んだことを日常診療に還元できるよう精進して参りたいと思います。