整形外科 Cadaver Workshop in Chiba <Shoulder & Elbow>
Basic CAL course
更新日 2019.10.4
令和1年9月28日 開催
2019年9月28日にシニアレジデントを対象とした整形外科Cadaver Workshop in Chiba<Shoulder & Elbow>が千葉大学Clinical Anatomy Lab(CAL)にて開催されました。シニアレジデントの先生が今後自ら治療に携わる上で必要な、骨折手術の展開や基本手技の習得を目的として行われました。
肩・肘関節周囲の骨折(鎖骨骨折や上腕骨頸部骨折、肘頭骨折)に対する基本的な手術手技を、実際の手術とほぼ同じ環境で学ぶことができただけでなく、時間をかけて肩肘周囲の解剖を熟知・再確認することができました。シニアレジデントだけでなく、指導にあたった医師含め全員にとって非常に有意義なセミナーとなったと思います。このような貴重な機会を与えて頂き、本セミナー開催に際し準備・運営ともに多大なご尽力を頂いたCAL並びに環境生命医学教室の皆様、共催のNPO 法人 千葉医師研修支援ネットワーク事務局の方々、CALの理念にご理解いただき医学の発展のためにご献体いただいた白菊会の方々にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
参加者の声
旭中央病院
濱野寛之
整形外科Cadaver Workshop in Chiba <Shoulder&Elbow>に参加いたしました。
このプログラムは、上腕骨近位部、肘頭、鎖骨の3グループに分かれて解剖を行いました。まだまだ執刀経験の少ない私達にとって、自らメスを持って解剖を学べる貴重な機会でした。普段から苦手意識のあった肩を中心に上肢の筋肉、神経、血管の走行を学べたこの経験はとてもありがたく感じました。また、ただ解剖を学ぶだけではなく経験豊富な講師の方々から実際の骨折整復手技を学べたことが、他のプログラムとは異なりとても勉強になりました。
上腕骨近位部ではdeltopectral approachとanteolateral approachを中心に学びました。普段から整復が難しいと感じている上腕骨近位部3-4partの骨折も、joy stick法や棘上筋のstay sutureで実際に何度も整復操作を練習することができ、実際の手術に直結する技術を学べたように思います。
肘頭ではテンションバンド法の練習以外にも、chevronの骨切りや尺骨神経剥離まで学ぶことができました。
鎖骨ではプレート固定と髄内ピンを実際に行い、髄内ピンの固定性のよさを知ることができました。また鎖骨遠位端と烏口突起の関係性や鎖骨下動静脈の位置関係を学ぶことができ、安全な手術に活かせそうでした。
落合先生、橋本先生にご教授頂きながら、実際のスーチャーアンカーを用いた肩関節鏡下腱板縫合の練習も行いました。実際にカメラを持って棘上筋の操作を行うのは難しく感じるとともに、良い視野が得られれば低侵襲で縫合を行える点でとても面白く感じました。
今回得た知識と経験を、患者さんに還元できるよう今後も努力を続けていきたいと思います。このような貴重な機会を与えてくださった千葉大学整形外科の先生方、環境生命医学の皆様、ご献体いただきました千葉白菊会の皆様に心より御礼申し上げます。
松戸整形外科病院
植田暢
整形外科Cadaver Workshop in Chibaも今回で5回目となりました。
脊椎から始まり手、足、股、肩と身体の各部位のプログラムを学ぶことができました。どの回も、プログラムの目的、献体を取り巻く状況を全員で確認し、続いて各部位の基礎的な解剖を再度確認してから解剖・手術手技確認に臨みました。
学生の位置確認中心の解剖とは違い、手術操作に際してそこに存在する神経・血管をどう扱うかを学ぶことができました。また、グループでの解剖となり、他病院で働く先生との知識の共有もでき向上心の刺激にもなりました。このプログラムの特徴は、手術のキーポイントとなる部分を、御遺体である点を利用して普段の手術では見られない角度から学ぶことができます。手術をより深く理解するために非常に有効でした。
日本ではなかなか参加することができないCadaver Workshopを経験できたことは、大変貴重な財産となり、より良い医療を提供できるようになると感じるとともに、継続的な努力を惜しまないようにしていきたいとも感じております。
この貴重な機会を提供してくださった千葉大学環境生命医学及び整形外科学の各グループの皆様、御献体してくださった献体者とそのご家族、千葉白菊会の皆様に感謝申し上げます。