Seminar/Column

セミナー/コラム

整形外科 Cadaver Workshop in Chiba <Shoulder &Elbow>

Basic CAL course

更新日 2025.7.25

令和7年7月19日 開催

千葉大学大学院医学研究院整形外科学
山田有徳

令和7年7月19日、千葉大学 Clinical Anatomy Laboratory(CAL)にて、整形外科専攻医1年目の17名を対象に「整形外科 Cadaver Workshop in Chiba <Shoulder & Elbow>〜Basic〜」が開催されました。
本ワークショップは、肩・肘関節の解剖学的構造と基本的な外傷手術手技(鎖骨骨折、上腕骨近位部骨折、肘頭骨折など)への理解を深めることを目的に、講義と実習を通じて学ぶ機会として企画されました。肩・肘関節は、広い可動域と複雑な機能を持つ部位であり、その障害は患者様の生活の質に大きな影響を及ぼします。整形外科医としてその構造と治療への理解を深めることは、極めて重要です。
本実習は、医学・医療の発展を願い、ご自身の身体を教育に役立てることを選ばれた方々、そしてそのご遺志を受け入れてくださったご遺族の深いご理解とご厚意に支えられています。白菊会の皆様をはじめとする、献体にご尽力いただいたすべての方々に、心より感謝と敬意を申し上げます。
本ワークショップでは、臨床経験の浅い専攻医にとって、平面の知識を立体の理解へと昇華させる非常に有意義な時間となりました。また指導にあたった我々にとっても、自らの技術と知識を再確認する機会となりました。
最後に、本企画の開催にあたりご支援・ご協力を賜りました白菊会の皆様、千葉大学CALならびに環境生命医学教室の皆様、そして共催いただいたNPO法人 千葉医師研修支援ネットワーク事務局の皆様に、重ねて深く御礼申し上げます。

参加者の声

おゆみの中央病院整形外科
田口智也

この度、整形外科Cadaver workshop in Chibaに参加させていただきました。解剖実習に先立ち、まず先生方より肩・上腕骨・肘の解剖と術式に関して講義を行っていただき、その後実際のご献体を通して解剖を確認しながら基本的手術の手順を実践させていただきました。実臨床でも経験することの多い鎖骨や上腕骨、肘関節の手術アプローチ方法や細かな手技について、経験豊富な先生方から丁寧に教えていただき、とても有意義な経験となりました。またご検体を通して実際に神経・血管走行や筋腱の走行を直接観察させていただき、今後の臨床判断や手術手技に対する理解がより深まりました。
今回学んだ知識や経験を活かし、実臨床にて少しでも患者様に貢献できるよう今後も診療にあたりたいと思います。改めまして、Cadaver workshop in Chibaの開催にあたり準備してくださいました関係者の皆さま、御献体頂きました献体者様とその御家族、千葉白菊会の皆様に厚く御礼申し上げます。

千葉市立青葉病院整形外科
松木啓哉

このたび、千葉で開催された整形外科Cadaver workshopに参加する機会をいただきました。実習に先立ち、肩関節、肘、上腕骨、鎖骨に関する詳細な解剖や手術手技についてのご講義を受け、基礎から応用まで多くの学びを得ることができました。その後の実技では、実際のご献体を用いて各部位の解剖構造を確認しながら、代表的な骨折に対する手術の一連の流れを体験させていただきました。
実習では、肩関節や肘関節といった複雑な解剖を伴う部位に対して、実際の展開から、インプラントの挿入位置まで、術中の流れを具体的にイメージしながら手技を行うことができました。特に、腋窩神経や橈骨神経など、術中損傷のリスクが高い神経の走行を自分の目で確認できたことで、日常診療では得難い実践的な知識を得ることができました。また、これまで教科書や画像でしか見たことのなかった筋・骨・関節包の立体構造を直に触れることで、理解がより深まったように感じます。
この研修を通して得た知識と経験を、今後の臨床や手術にしっかりと生かしていきたいと強く感じております。最後になりますが、このような貴重な機会を提供してくださった運営スタッフの皆様、御献体いただきました献体者様とそのご家族、千葉白菊会の皆様に深く感謝申し上げます。