Seminar/Column

セミナー/コラム

整形外科Cadaver Workshop in Chiba <Hand & Wrist>

Advanced CAL course

更新日 2019.8.3

令和1年7月20日 開催

平成15年卒
松浦 佑介

201971920日、エムイーシステムと千葉大学整形外科との共催にて整形外科Cadaver Workshop in Chiba Hand & Wrist (Advancedコース)が開催されました。昨年度に引き続き2回目となります。このプログラムは初日に翌日の実技のための講義(ペリエホール)2日目に新鮮凍結屍体を用いた手術手技実習(千葉大学Clinical Anatomy LabCAL)という2部構成で行われました。両日ともに、日本を代表する手外科の先生方を講師にお招きし、手外科手術に必要な詳細な解剖知識や手技を学び、手外科の診療にすぐに役立つ知識を習得できる充実した内容となりました。今回取得した知識をもとにご参加いただきました先生方の医療技術がさらに向上し、患者さんへ利益を還元できることを 祈念しております。

 

最後になりますが、ご多忙の中、このプログラムにおいて講師の労をお取りいただきました昭和大学横浜市北部病院 川崎恵吉 先生, キッコーマン総合病院 田中利和 先生, 板橋区医師会病院 長尾聡哉 先生,千葉大学(環境生命医学) 鈴木 崇根先生、運営に当たりご協力いただきました千葉大学整形外科および環境生命医学スタッフの皆様に御礼申し上げます。

参加者の声

栃木県立リハビリテーションセンター
  志賢

2019719日、20日に千葉大学Clinical Anatomy Lab(CAL)で開催されました整形外科Cadaver Workshop in ChibaHand&Wrist)に参加させて頂きました。

講師の先生方の丁寧なレクチャーを受けて、すぐに実際の解剖を確認しながら手技を実践できるという、大変貴重で非常に有意義な経験をさせて頂きました。

自分は今までの臨床経験で、指先の骨折や手首の内部の小さい骨の骨折の手術経験がなく、これらの手術法を実際に見て学んで、その場ですぐに実践できたことは、本や文献で得られる情報以上に自分の脳裏に強く焼き付きました。自分が今までやっていた手首の骨折についても、自分が経験したことがないアプローチを学ぶことができ、今まで以上に複雑な骨折にも自信を持って対応できるスキルを身に付けることができました。

手術はどんなに技術が進歩しても、人の手が為す技であり、それは活字の知識や映像だけで完全に補完できる情報ではありません。また実際の手術では、麻酔の問題で十分に時間をかけて学ぶことはできません。このような貴重な経験は、Clinical Surgical Trainingを通してしか得られないものです。自分はCadaver Workshopに初めて参加しましたが、このような機会は患者さんがより良い手術を受けるために必要不可欠なものであると感じました。

 

このような機会を設けて下さった、講師の先生方、千葉大学整形外科の皆様、千葉大学CALの皆様、協賛のエムイーシステムの皆様に御礼申し上げます。そして、このような機会があるのは、御献体をして下さった方々と白菊会の皆様の御協力の賜物です。この場を借りて心より感謝申し上げます。

今回学んだことをこれからの自分の診療活動に生かし、今まで以上にクオリティの高い手術を患者さんに提供できるよう励みたいと思います。

 

 

 

東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科

杉村  遼太

今回私は整形外科Cadaver Workshop in ChibaHand&Wrist)に参加させていただきました。

コースの1日目には各疾患の治療経験豊富な先生方による講義があり、解剖や手術手技を予習しました。また、個人的にも日常診療で感じている疑問点をピックアップしておき、翌日の解剖実習に備えました。2日目の解剖実習当日にも、まず指導者による手術手技を見学し手技を最終確認したうえで解剖に臨みました。

今回のコースでは手関節(手くび)から指までの解剖および手術手技を学びました。たとえば繊細な指の手術ではどのようにすれば神経や血管を損傷せずに十分な展開が得られるか、逆にどのような操作に危険性があるかなどをひとつひとつ確認しながら。繰り返し手術手技を研究することができました。また手根骨(手くびの骨)の新しい手術手技を経験する機会も得ました。このような学びは座学だけでは得られませんし、いっぽうで実際の医療現場でもいきなり新しい手術を行ったり、手術の中である技術を繰り返し確かめるといったことはできませんので、やはり今回のようなご献体をもとにした手術手技の研鑽は非常に重要であると感じました。

指導者に直接疑問点を質問することができ、普段は勤務病院や大学の医局を異とする医師とも意見を交換したりしたことも、より実習を有意義なものにしたと感じます。参加者・指導医・補助の先生方とも熱意を持って実習に取り組んでいたのが印象的で、多くの整形外科医がカダバーでの手術手技実習という学びの場を非常に大切にしていることを感じました。

 

普段は大学病院で手・上肢の疾患を専門に診療しておりますが、今回の実習で学んだことを持ち帰り、患者さんに還元することができるよう一層精進してゆきたいと思います。

このような学びの場を準備してくださった鈴木先生、松浦先生や指導の先生方、タスクとして尽力くださった千葉大学整形外科の先生方にあつくお礼申し上げます。また何よりも、よりよい医療のためにとご献体を決められた方々の篤志に心より感謝と敬意をお伝えしたく思います。ありがとうございました。