第1回台湾トラベリングフェロー留学記

更新日 2017.11.18

台湾トラベリングフェロー

H.21年卒 瓦井 裕也

 

 2017年11月6日から17日の約2週間の間、千葉大学-台湾トラベリングフェローとして台湾を訪問させて頂きましたので報告させて頂きます。

 11月6日から10日までの間、Chang Gung Memorial Hospital, Linkou (林口長庚紀念醫院)で過ごし、11月13日から17日までの間をNational Taiwan University Hospital (国立台湾大学醫学院付設醫院)で過ごしました。

 長庚紀念醫院は台北市街から車で30分程度離れた工業地帯にある巨大な病院で、病 床 数:3,385 床、整形外科手術12000/年、手術室が100部屋程度あり、台湾大学醫学院付設醫院も病 床 数:2,047 床、手術45000/年と、共に非常に大きな規模の病院でした。

 長庚紀念醫院ではcemented PS type TKA, OCM アプローチによるuncemented THAを中心に手術見学をさせて頂きました。またTKA感染後の mobile spacerを用いた二期的再置換術も拝見させて頂き、非常に印象的でした。夜はDr. Chia Hsieh Changに台湾の伝統料理の店にお招き頂き、台湾の医療について貴重なお話を伺うことができました。

 国立台湾大学醫学院付設醫院ではmidvastus アプローチによるcemented TKA, 後側方アプローチによるuncemented THAを見学させて頂きました。後側方アプローチでは短回旋筋群の切離と修復に工夫がなされており、術後約1週間程度で自宅に退院されておりました。週の半ばには整形外科カンファレンスが行われ、千葉大学を代表して木下先生が流暢な英語で堂々としたご発表をなされ、非常に多数の質問に受け答えされておりました。千葉大学整形外科が行っている研究に対して、台湾の先生方が大きな興味を示したことに私も非常にうれしく感じました。夜はDr. Ting-Ming Wang先生が歓迎会を開いて下さり、多くの臨床のご経験や研究についての話を伺うことができました。

 訪台中、一年間台湾にご留学されている北里大学整形外科の東山礼治先生に現地での生活や文化の違いについて、非常に心強いバックアップを頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。

 私個人としては初めての訪台でしたが、台湾の方々は皆、非常にフレンドリーで、各地で温かいもてなしを頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。また複数の病院を見学させていただき、日本との医療制度の違いや台湾の医師の日常を知ることができ、大変勉強になりました。

 最後になりますが、滞在中お世話になりました長庚紀念醫院のChang先生、Kao先生、国立台湾大学醫学院付設醫院のWang先生、Lee先生、滞在中全面的なバックアップを頂きました東山礼治先生、このような貴重な機会を与えて下さりました葉 國璽先生、大鳥精司教授、また留守中大変お世話になりました大学の文部教官の先生方、股関節リウマチグループの先生方また病棟業務などでお世話になりました大学院の先生方とフレッシュマンの先生方に心より御礼申し上げます。

 

 

台湾トラベリングフェローを終えて

H.24年卒 木下 英幸

 

 2017年11月6日から17日まで第1回千葉・台湾交換留学トラベリングフェローとして台湾に2週間留学させていただきましたのでご報告させて頂きます。1週目はチャングン記念病院、2週目は国立台湾大学医学部付属病院にて研修をさせて頂きました。

 チャングン記念病院は私立の病院で毎日多数の手術を行っているのが特徴の病院であり、100室を超える手術室を有し、整形外科(骨科)も連日手術を行っておりました。脊椎外科手術としては一ヶ月で150件ほどの手術を行っており、今回はTLIF(1日3〜4件)、除圧術、BKP、ACDFなどを見学させていただきました。手術が多いため若手整形外科医にとっての有数の人気病院であり、倍率も高く、さらに海外からのフェローも数多く抱えており、様々なバックグラウンドを持った先生方がいらっしゃいました。

 一方、国立台湾大学医学部付属病院は台湾屈指の大学の付属病院であり、1895年に設立されており、以前は日本の帝国大学(日本7帝大、ソウル大学、台湾大学)に数えられるほど歴史が深く、外観内観ともに厳かな病院でした。大学付属病院であることから、手術に関しては千葉大学付属病院と似たシステムであり、グループ毎に手術日を有し、その手術日に合併症を有する困難症例に対し手術を行っておりました(整形外科で5000例/年間)。今回はACDFやVCRなどを拝見させていただきました。また、JSSRのトラベリングフェローの先生方とも1日研修をご一緒させていただく機会があり、脊椎全体ミーティングにて私自身の研究の発表もさせていただきました。恐れ多いことですが、その発表に対し表彰もしていただき、また台湾の最高学府からの表彰であることから、この表彰状は木下家の家宝とさせて頂きたいと思います。国立台湾大学の脊椎の先生方ともミーティングにてディスカッションもさせていただき、非常に刺激的な1週間となりました。

 今回、第1回目ということで、どのような研修になるのかと一抹の不安もありましたが、国際的な視点や英語でのディスカッションの必要性なども痛感させられた有意義な2週間を過ごさせていただきました。この経験はこれからの私の整形外科医人生において糧となることは間違いないと思います。

 最後にこのような素晴らしい機会を全面バックアップしていただきました葉國璽先生に心から感謝いたします。また、このトラベリングフェローを快諾していただきました大鳥精司教授をはじめ、千葉大学の文部教官の先生方、現地でご同行していただきました同門の東山礼治先生、不在中、病棟・外来などを支えてくださった大学院生・フレッシュマンの先生方、台湾で我々に多大なるもてなしをして頂きました先生方に心よりお礼申しあげます。台湾のトラベリングフェローの先生方の訪日中には、台湾で頂きましたもてなしに負けないようなホスピタリティの精神で彼らを迎えたいと思います。