パーソナル・トレーニングジム『トータル・ワークアウト』との共同研究「腸腰筋への神経伝達向上のトレーニング効果」を開始いたします

更新日 2018.4.27

千葉大学整形外科脊椎班 助教
稲毛 一秀(H17卒)

この度、パーソナル・トレーニングジム『トータル・ワークアウト』との共同研究「腸腰筋への神経伝達向上のトレーニング効果」を開始することとなりましたのでご報告させていただきます。

トータル・ワークアウトとは、パーソナル・トレーナーとして著名なケビン山崎氏が設立した米シアトル発のトレーニングジムです。日本国内には渋谷、六本木、福岡と全国3店舗を展開しており、プロスポーツ選手などトップアスリートも多く所属することで有名です。またアスリートデータを基にしたトレーニング技術の研究、パーソナル・トレーナーの育成、トレーニング・プログラムの研究などに力を注いでおり、日本随一のトレーニング研究機関でもあります。今回の共同研究は、そのメソッドや研究データを整形外科の最近のトピックであるロコモティブシンドローム研究に適応したものです。

筋肉には、運動神経支配で自分の意思で動かす事の出来る随意筋と心臓や平滑筋の様に自律神経支配による自分の意志では動かす事の出来ない附随筋が存在しています。附随筋に分類されるインナーマッスルの働きを仮に意識する事が可能になれば、筋力、可動域を効率よく向上させることができると過程し、ここでは腸腰筋に着目し、その働きを向上させることで日常生活における運動効果を検証します。この研究では、TOTAL Workoutの最新メソッド『TOTAL Workout redcord Athlete Tuning MethodTM(ATM)』によって腸腰筋の神経伝達を良くし、意識的に筋肉を、動かせれば、設定したテスト結果(ロコモテストなど)が向上するというエビデンスを集めることで実施します。

本研究は、すでに進行中である「一般成人および中高年者に対するレジスタンストレーニングがQOL向上に与える影響に関する検討」とリンクしてデータ収集・解析することで、ロコモティブシンドローム発症メカニズム解明と、更には新規治療法確立の一助となるものと確信しております。

また本研究はロコモティブシンドロームのみではなく、スポーツ医学分野にも応用が可能な研究かとも思います(特にトップアスリートへの運動指導など)。従いまして、スポーツ医学に興味のある若手の先生方(および学生の皆様)にも積極的に本研究にご参加いただき、広く内容を発展させていこうと考えております。つきましては、このような研究にご興味がある先生がいらっしゃいましたら是非お声がけいただきたく存じます。定期的にトータル・ワークアウトとのミーティングを行っておりますので、まずは施設見学を兼ねてご参加いただこうと考えております。必ずや世界をリードする研究内容になると自負しておりますので、多くの先生方にご参加いただけましたら幸いです。

最後に今回の共同研究を快くご許可いただきました、トータル・ワークアウト 主宰 ケビン山崎様およびトータル・ワークアウト プレミアムマネジメント株式会社 代表取締役社長 池澤 智様をはじめ関係者各位に心より御礼申し上げます。

 

TOTAL Workoutホームページリンク先

https://www.totalworkout.jp/twlab/system/chibauniversity.html