第42回日本骨・関節感染症学会にて優秀ポスター賞を受賞致しました

更新日 2019.7.20

H20年卒
姫野 大輔

 令和元年7月19日、20日にパシフィコ横浜にて行われました第42回日本骨・関節感染症学会において優秀ポスター賞を受賞致しましたので報告させて頂きます。

 

 『敗血症を繰り返す難治性骨軟部組織感染症に対するiMAP/iSAPの可能性』という演題にてポスター発表させて頂きました。iMAP/iSAPとはそれぞれintramedullary antibiotic perfusion/intra soft tissue antibiotic perfusionの略で、バイオフィルムを形成するような難治性骨軟部組織感染症に対して高濃度の抗菌薬を直接局所に持続注入することで、インプラント抜去や感染組織の大規模な切除を行わずに感染を制御する方法です。

 今回の発表でお示しした参考症例は救急科と共同し治療したもので、敗血症に対する初期治療を行なったものの全身状態が悪く大規模な根治手術が困難でありDNAR(Do Not Attempt Resuscitation)の方針となるところで、救急科よりご相談いただきました。幸いにも治療は奏功し症状は著明に改善し、その後敗血症の再燃なく経過しています。今まで手を出しづらかった敗血症の急性期にも積極的に感染局所の感染治療が行える方法とも有用であると考えています。

 iMAP/iSAPはもともと外傷分野で発展した方法ですが、現在千葉大学整形外科では脊椎術後感染、人工関節周囲感染など各グループの垣根なく協力して試行しております。また多くの関連病院の先生方、他科の先生方からもご相談いただき症例を蓄積することができています。この場を借りて御礼申し上げます。これからも感染に難渋することがございましたら、喜んで治療させていただきますので是非ご連絡ください。

 

 最後になりますが、日ごろよりご指導いただき寛大に見守って頂いております大鳥精司教授、佐粧孝久教授、各グループの先生方、また治療中の管理をしていただいている病棟看護師の皆様に御礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。