第6回千葉県骨粗鬆症マネージャー連携協議会を開催いたしました

更新日 2020.1.28

社会医療法人社団菊田会 習志野第一病院 薬局
二瓶 悠樹

2020年1月25日(土)に第6回千葉県骨粗鬆症マネージャー連携協議会をハロー会議室千葉駅前で開催いたしました。

2016年に行った2回の勉強会を経て、2017年6月に千葉県骨粗鬆症マネージャー連携協議会を発足し、今回で6回目の開催となりました。

前回と同様に、一般演題・グループワーク・特別講演の3部構成となりました。

 

まず、一般演題では、3名の先生方にご講演いただきました。

 

はじめに、公益財団法人柏市医療公社 柏市立柏病院 池田達也先生にご講演いただきました。骨粗鬆症教室やホームページ・市報の活用など、一次予防に力を入れた際立った取り組みの数々は目を引くものがありました。

 

つづいて、東邦二和クリニックの川名ひろみ先生にご講演いただきました。

内科かつ診療所という環境でのOLS活動の実状報告から、患者にもスタッフにも個人負担を考慮したバランスのよい関わり方を検討する必要性を学べました。

 

最後に、地域医療機能推進機構 船橋中央病院 林志保先生にご講演いただきました。

チェックリストを用いたサービス漏れの防止やOLS委員会メンバー以外を含めたチェック機構の構築など、サービス品質向上のために念入りに取り組みを進める重要性について学べました。

 

次に、経験年数別・職種別に分かれて『温故知新~もし骨粗鬆症のマネージャーがOLSの「マネジメントを学んだら~』というテーマで「スタッフの理解が得られず困っていること」についてグループワークを行い、現状の課題の整理とその解決策について話し合いました。

若手を積極的に専任のスタッフとして成功体験を与えられるようにしたり、一人の骨粗鬆症マネージャーに依存しないシステムが構築できるようにしたりと、具体的な改善案が出てきました。また、「骨粗鬆症」という概念に縛られ過ぎずに、フレイルやサルコペニアも含めた幅広い視点で解決策を模索していく事が重要ではないかという画期的な視点も生まれました。

 

そして、特別講演では、聖隷佐倉市民病院 整形外科 院長補佐 小谷俊明 先生に「骨粗鬆症リエゾンサービスチームのマネジメント」についてご講演いただきました。

自己血輸血の領域においてチームで活動して成功した事例等をもとに、互いの職種に敬意を払うGive and Takeの関係性を作る重要性について説明いただきました。

その後、骨粗鬆症リエゾンサービスチームへ関わる際、先導して指示命令するリーダーシップ型ではなく、調整して支援するマネジメント型でアプローチする方法論は、どの施設においても普遍的に活用できる貴重かつ有意義な情報でした。

 

骨粗鬆症リエゾンサービスの中心を担う骨粗鬆症マネージャーは、2019年4月現在で3061名が学会認定されております。しかし、骨粗鬆症患者を取り巻く環境は多岐に渡り、全国で「骨粗鬆症マネージャーの資格を所得したものの、何をやればいいのかわからない。」といった状態が続いております。また、「骨粗鬆症診療に興味があるが、骨粗鬆症マネージャーになるのはハードルが高い。」という声も聴かれます。本協議会は、そのような悩める骨粗鬆症マネージャーや骨粗鬆症診療をサポートしたいと考える方の拠り所となる協議会でありたいと考えております。

 

今回は「原点回帰・温故知新」というテーマでしたが、斬新な意見や目から鱗のアイデアが出され、とても有意義なグループワークとなりました。今後も千葉大学整形外科の同門の先生方からのご意見を頂戴し、年2回の開催を目標に頑張って行きたいと思っております。

 

なお、次回開催は、2020年6月に開催が決定しております。今までご参加いただけなかった先生方もぜひご参加いただければと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。