FRQS(ケベック生命科学研究基金)のPostdoctoral Training Grant採択のご報告

更新日 2020.5.3

瓦井裕也

 この度,「慢性腰痛におけるDNAメチル化プロファイルの分析とゲノムワイドな治療介入」がFRQS(ケベック生命科学研究基金)のPostdoctoral Training Grantに採択されましたのでご報告申し上げます.

 

 本研究は慢性腰痛患者の椎間板と慢性腰痛モデル動物の椎間板双方においてDNAのメチル化と転写産物の発現量を網羅的に調べ, その後個々の遺伝子において質的妥当性を確認後, 原因となり得る機能的経路と責任遺伝子におけるエピジェネティックな変化に注目し, より特異性の高い治療介入を行うものです. 本研究には従来のウェットラボによる手法に加え, 近年増加しているビックデータやバイオインフォマティクスをはじめとしたドライラボ的手法, またGenome Quebecに集約された多施設遺伝子データを使用したデータシェアリングによって成り立っています. 各々の手法に長所と短所がありますがそれを補えるコンセプトになっています. 学ぶ範囲も多岐に及びますが, このような多くの手法を学べる恵まれた環境に身を置いていることを肝に銘じ日々研究に励んでおります. ケベック州は公用語がフランス語ということもあり, 申請用紙もフランス語で記入する部分があります. 大変な部分も多くありましたが, 研究室の皆の力を借りて何とか形にすることができました. 国は違えど頼りになるのはどこにいっても仲間であると実感しました.

 

 今回の助成金採択にあたり, 英文での助成金申請についてご指導頂いたPIのDr. Stone, また一緒に何度も実験を繰り返したDr. Lee, フランス語の添削をしてもらったDr. Gregoire, また常日頃より支え合う研究室の仲間に感謝の意を述べさせて頂きます. また最後になりましたがこのような貴重な機会を与えて下さいました大鳥精司教授,千葉大学整形外科同門の先生方,そして財団関係者の皆様にこの場を借りて, 厚く御礼申し上げます. 今後ともご指導ご鞭撻の程何卒宜しくお願い申し上げます.

 

瓦井裕也