東工大訪問 PAM研究検討会のご報告

更新日 2021.4.21

東工大・藤枝研究室を訪問しました。

平成19年卒 金塚 彩

東京工業大学生命理工学院を訪問し、藤枝研究室が開発されている最新技術とデバイスを、Performing Arts Medicine (PAM)分野に応用することを目的としたディスカッションを行いました。

 

 この会は、私の留学資金を助成していただいた吉田育英会が開催する「異分野クロストーク」という座談会に、東工大の藤枝俊宣先生と同席したのがきっかけで結成されました。3名の吉田育英会OB/OGがそれぞれ自分の専門分野について語り合う会で、今年度は医学・工学・数学分野からそれぞれ私・藤枝先生・もう一人の先生が参加しました。事前資料を見たときには、「これはどうやって共通の話題を見いだすのか」と不安がよぎりましたが、司会進行の評議員・猿丸雅之氏(YKK株式会社代表取締役会長)のエスコートで、トークは大変盛り上がりました。藤枝先生の研究室で現在取り組んでいるウェアラブル型の歪み・曲げセンサが、複雑で高速の巧緻運動を伴う音楽家の演奏動作解析等に役立つ可能性があるのではないか、という話題が持ち上がり、ぜひ一度意見交換の機会を持ちましょうということになりました。

 

 そして立ち上がった第1回は、ZoomによるWebミーティングで開催し、ざっくばらんに意見交換を行いました。千葉大からは、バイオメカ領域の研究に詳しい手外科グループチーフの松浦佑介先生にもご参加いただき、大変参考になるご意見を頂戴することができました。その内容を踏まえ、今回は足の外科グループチーフで動作解析にも詳しい山口智志先生もお誘いし、松浦先生と私を含めた3名で東工大を訪問し、実際に開発中のデバイスを直接拝見してディスカッションを行いました。

 

 工学部の先生方からのプレゼンテーションは刺激的で、研究意欲を掻き立てられるものでした。お互いにJargon(専門用語)をなるべく減らすことで、活発な議論ができたと思います。肝心のデバイスについては、うまく開発が進めば実際にPAM領域での演奏動作解析に利用することが可能であろうと思います。さらに幅広く足の外科、整形外科全般への活用も期待しております。

 

 今回、東工大訪問に同席してくださった山口先生と松浦先生のおかげで、PAM領域のみならず、足の外科・手外科、整形外科全般への研究応用の可能性について広く検討することができました。臨床・研究ともにまだ経験が不十分な私を力強くサポートしていただき、心より感謝を申し上げます。移動時間も含めるとほぼ丸一日、足の外科と手外科のチーフが不在となり、その間の病院業務をフォローしてくださった各グループの院生、フレッシュマンの先生方にも感謝を申し上げます。最後になりますが、貴重な研究情報を共有し、研究のコラボレーションをご提案くださった藤枝先生ならびに院生のみなさま、ありがとうございます。まだまだ萌芽的な段階ですが、定期的に検討会を行い、研究の実現につなげたいと思います。

*COVID-19対策に留意し、集合写真の時のみマスクを外しております。

 

写真説明:左より藤田さん、松浦先生、山口先生、金塚、藤枝先生、稲田さん、堀井さん