PASMISS 2021を開催して
更新日 2021.7.14
第21回太平洋アジア低侵襲脊椎外科学会
(PASMISS2021)
会長 山縣 正庸
(千葉ろうさい病院)
7月2−3日に第21回太平洋アジア低侵襲脊椎外科学会 (The 21st Pacific and Asian Society of Minimally Invasive Spine Surgery: PASMISS 2021)を完全WEB方式で開催いたしました。
私が3年前の2018年にPASMISS会長として選出されました。その後この学会の開催の準備に取り掛かり、準備してきました。当初は千葉幕張国際会議場で開催予定でした。しかし昨年から蔓延した COVID-19により状況が大きく変化しました。まずTOKYO2020の開催が1年延期になり、我々が予定していた会場、ホテルの確保に困難が生じました。JOCの力は絶大で当方が既に予約をしていたにもかかわらずメッセの使用は不可能となりました。会場を国際会議場からホテルへと移しそこはなんとか維持確保しました。2021年こそはCOVID-19から解放されるものと確信して準備をしましたが、それも叶わず、開催方法がonsite から hybridにさらに完全web開催と変更になったために全ての計画を変更とせざるを得ませんでした。ただ予定していた学術会議は延期することはできません、手術の進歩はここ数年さらに加速されて、その進歩は目覚ましいものがあります。
私たちは立ち止まらずに前に進まなければなりません。前回の韓国開催PASMISS2020がその開催を延期し、当初11月としていましたがさらに延期本年の4月1−3日となりました。今年は年2回の開催です。学会の独自性を示すために千葉大学医学部でのCAL seminarも開催し、若手への教育にも視点におきました。COVID-19が蔓延した中での開催ですが感染に対する万全の体制のもと予定通り開催され、受講者には非常に満足いただきました。
医学部新館でのCALは他大学の講師にも羨望のまとでした。PASMISS2021開催準備はしているものの、HPなど案内、演題募集などの準備は非常に短期間となりました。
再三の呼びかけで当方の熱意が伝わったのか、応募期間が極端に短かったにもかかわらず多数の応募がありました。皆様の熱意に大いに感謝しています。有難うございました。
一般演題には97演題の応募があり、このうち79演題を口演として採用し、特別講演、招待講演、PASMISS seminar, faculty lectureと合わせて100を超える発表、講演となりました。これらが2日間にわたり、Web配信され、討論が行われました。
今回のテーマは Evolution of spine surgery and future surgery としました。特別講演では徳島大学の西良浩一教授にfull endoscopic surgeryの最先端をお示しいただきました。また帝京大学沖中研究所最先端研究所の杉本美紀教授からは近未来の手術室と称して、AI を駆使した、未来の手術を紹介していただきました。一つは最新光学機械と手術器具を駆使した最小侵襲手術の最先端の講演であり、もう一つはコンピューターを駆使した緻密な3D術前計画、ロボット手術、VR, など今後使用できるAI手術の可能性です。事実、我が国にはTela surgery 学会、ロボット手術学会が創設されています。
お陰様をもちまして、150名を超える参加者を迎えての有意義な討論を重ねることができました。
特に教室の先生方の活発な発表には大変活気づけられました。
今後も脊椎のMISは益々発展すると思われますが、アジアの先生方との友好もふくめ教室の先生方の益々のご活躍を期待しています。
閉会式ではスケジュールが大幅に遅くなったのですが、次回の開催国であるシンガポールの先生方は待機していてくれました。
やはりface to face で行いたいですねと言ってシンガポールに大会旗を渡すことができました。
学会を盛会裏に終了することができましたのはひとえに教室の多大なご協力と、ご支援の賜物と、あらためて心より御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。