2021年度大和証券ヘルス財団 調査研究助成(在宅医療・介護部門)受賞のお知らせ

更新日 2021.11.14

「慢性腰痛に対するケアアプリとロボットスーツを用いた治療法の開発」

 

平成11年卒 江口 和

 

このたび,大和証券ヘルス財団より上記調査研究助成をいただき,2021年11月9日に大和証券千葉支店にて贈呈式が開催されましたのでご報告いたします.

 

当日は高田哲哉・理事,杉山明・千葉支店長が御同席のもと研究課題について簡単なプレゼンテーションをさせていただきました.全国から205名の応募の中から33課題が選出されたとのことです.高田理事は高齢社会において健康寿命延伸に関する研究のニーズを強調されており,改めて整形外科医の役割の大きさを実感しました.ポストコロナにおいて贈呈式に出席するのは今回はじめてとなりましたが,財団の皆さまから研究に対する激励を頂戴し非常に身の引き締まる思いがいたします.

 

高齢社会において慢性腰痛患者の急増し,さらにコロナ禍など通院困難な患者さんに対応するため遠隔医療のニーズが増大しております.

 

治療として,認知行動療法は慢性腰痛の治療において高いエビデンスがありますが,治療には時間とコストがかかり残念ながら思うように普及しておりません.またロボットスーツHALはヒトの動作をリアルタイムに補助できる外骨格装着型動作支援ロボットであり,HALの動作支援により理想的な動作をフィードバックすることにより身体機能改善が期待でき,現在,脳疾患のリハビリテーションや介護用ロボットとして活用が期待されております.

 

われわれは臨床心理士の清水啓介先生(千葉大学未来医療教育研究機構)と共同でiPhone用の認知行動療法を用いた腰痛アプリ「ココロカラ」を開発してきました.さらに國府田正雄先生(筑波大学整形外科)のご協力のもとロボットスーツ腰HALを併用した慢性腰痛に対する治療開発に取り組んでおります.

 

研究を推進するにあたり,いつもご支援いただいている腰椎グループの大鳥精司教授,稲毛一秀先生,折田純久先生,志賀康浩先生に御礼申し上げます.

本研究助成を有効に活用し,研究成果を腰痛に苦しむ皆さまに還元できるよう精進したいと存じます.

今後とも同門の先生方のご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます.