富山大学整形外科MySpine Cervical®手術の見学報告&富山マラソン完走記

更新日 2021.11.17

                                                                        西能病院 整形外科

平成30年卒 福島 駿

 

 富山大学整形外科へ手術見学に行ってまいりましたのでご報告いたします。

 現在私は同門の山田均先生、堂後隆彦先生、西能健先生が勤務される富山県西能病院で研修を行っております。当院には以前から富山大学整形外科川口善治教授が診療に来られており、頸椎後方固定術の最新手技に触れる機会をいただき西能先生とともに行ってまいりました。

 

 症例は70代男性、すべりを伴い動揺性、後弯とともに多椎間狭窄を呈している頚椎症症例でした。頚椎後方固定には、簡便なlateral mass screw法、固定性は良いが血管損傷などのリスクがはらむpedicle screw法、そして同門の新籾先生が考案されたparavertebral foramen screw 法(PVFS)などが広く行われています。screwを安全に迅速に設置するには、c-armやo-armを駆使して(被曝時間が問題)行われている施設が多く、一部ではnavigationを用いることも多くなってきていると思います。

 

 今回はmyspine cervical (medacta社)システムという、術前CT画像を3D構築し各椎体、それも左右それぞれにオーダーメイドガイドが作成され、それを術中に棘突起-椎弓にぴったり設置(「シンデレラフィット」と言うそう)できれば、椎骨動脈を確実に避けスクリューが挿入できます。ガイドに従いドリル・タッピングをするので被曝時間が少ないこともメリットです。シンデレラフィットを得るためには丁寧な展開(棘突起間靭帯など微細な軟部が残存していると安定しない)が求められます。

 

 スムーズでストレスのないスクリュー挿入の手技に、本技術がこれからますます広く普及する可能性を強く感じました。当院では頚椎後方固定は積極的に行っていないこともあり、今回の経験は非常に貴重な機会でした。

 

 整形外科手術は昨今急速にナビゲーションやロボットが現場に導入し始めています。当院でも近日中に人工関節手術支援ロボットが導入される予定で非常に楽しみです。このような最新技術に常に触れ、経験を重ねていくことは今後手術に携わる整形外科医にとって重要なことであり、これからも精進を重ねていきたいと思います。

 

 また、私事ではございますが、西能病院に赴任させていただいてから、上級医の先生のお誘いもあり富山マラソンに向けての練習を始めました。何を隠そう今回お世話になりました川口教授とはランニング仲間でもありまして、時折ご一緒に早朝ランニングをさせていただき富山の街中を案内してくださいました。そんな練習の成果もあり、何とか富山マラソンを完走することができました。西能病院でなければ得られなかったであろうこの貴重な辛く楽しい経験も、今後の医師人生の糧にしていきます。

 最後になりましたが、お忙しい中貴重な機会をいただきご対応いただいた富山大学整形外科の川口善治教授、牧野紘士先生、二川隼人先生にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。残り少ない富山での研修生活、さらにエンジン全開で頑張りたいと思います。