『ロコケン』 2022年度第10回運動器の健康・優秀賞 を受賞して

更新日 2022.4.28

西能病院 / 整形外科センター西能クリニック
西能健(H18卒)

 富山県の西能健と申します。筋肉や骨、関節など運動器の大切さを地域へ啓発啓蒙する当法人イベント『ロコケン』が、公益財団法人運動器の健康・日本協会より地域の優れた活動と認められ、この度「第10回運動器の健康・日本賞」の優秀賞を受賞いたしましたので報告させていただきます。

 

 超高齢化社会の進行に伴う運動器変性疾患の増加が問題視されています。健康寿命延伸への関心の高まりとともに、その原因となるロコモティブシンドロームの予防は大変重要です。当法人五省会では、2014年老人介護保険施設で地域ボランティアを対象に開催した「ロコモ教室」を皮切りに、独自でロコモ啓発活動、また職員教育に取り組んでまいりました。ロコモ活動を徐々に組織化し、2018年に初の野外イベントとして市街中心部で大規模イベント『ロコケン』を開催いたしました。翌2019年には、老化や認知症、口腔機能などを診断評価する新しいコンテンツを追加した『ロコケン2nd』を開催し、多くの地域住民にご参加いただきました。2020年からはコロナ禍の影響で大規模イベントは開催できない状況の中、地場企業へ直接出張し、働く世代を対象に『企業ロコケン』と称したコンテンツを中心スタッフが企画実施しました。

 

 このような約8年におよぶ当方のロコモへの活動をまとめ、2022年運動器の健康・日本賞にアプライしたところ、優秀賞をいただくことができました。本協会は、運動器の健康づくりを通して、医療や福祉、スポーツの発展を図り、活力ある社会の実現に寄与することを目的に活動されている団体であり、そのような協会から賞をいただけたことは、これまでの取り組みが全国的にも評価されるものであったと確信しております。

 

 去る4月17日に東京神宮の明治記念館で表彰式が行われ、表彰を受けるとともに事業報告を行ってまいりました。表彰された他団体による取り組みでは、北海道大学の学童野球肘検診(野球肘エコーチェックとともに心エコーによる先天性心疾患スクリーニング)や、怪我をしたコウノトリに義足を作成するプロジェクトなど、多岐にわたる運動器への活動があり、今後の学びと活力をいただくことが出来ました。

 

 今年度はコロナ対策を万全にし、さらに充実したコンテンツを用意した『ロコケン4th』を夏に開催する予定です。

 

 小生のロコモへの営みの始まりは、千葉大学大学院時代に大鳥精司教授を中心に行われているロコモペイン基礎ミーティングでサルコペニアに触れたことから始まります。大学院卒業時に稲毛一秀先生に体組成計導入をご指南いただき、以後も千葉大学整形外科のロコモ・サルコペニアの営みを参考に刺激を受けながら進めてまいりました。今後とも大学医局をはじめ関連病院の活動に注目しながら、新たなアイデアやツールを取り入れ営みの量と質を向上させ継続してまいりたいと思います。今後ともご指導の程どうかよろしくお願いいたします。

 

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