模型を用いた頚椎後方手術ワークショップ開催記

更新日 2022.10.13

古矢丈雄 (H13卒)

 2022年9月4日 (日)に千葉大学医学部附属病院手術室にて実態模型を用いた手術手技ワークショップを開催致しましたので報告致します。

 

 

 今回は千葉大学整形外科の医師4名、および附属病院の手術室看護師2名に参加いただきました。半日のコースで3名ずつ2チームに分かれ、(1)後方からの除圧術、(2)インストゥルメンテーションを用いた固定術、そして (3)顕微鏡下での硬膜縫合術の実習を行いました。用いた模型「REAL SPINE」は筋層から出血を来たしたり、硬膜内腔に脳脊髄液を模した水が流れているなど、かなり精巧に作られておりました。また、骨をサージトームで掘削する感覚や、硬膜縫合時の針を貫通させる感触も実臨床に近く、参加者も大変驚いておりました。

 3時間の予定でしたが、盛りだくさんの内容で、大変充実した研修となったのではと思います。

 

 

最後になりますが、今回の企画をご快諾いただきました大鳥精司教授及びに手術室関係者様に深く御礼申し上げます。また、今回のワークショップの開催を全面的にサポートいただきましたDePuySynthes社の皆様にも心より御礼を申し上げます。

 

以下、参加者の声

 

郭江裕先生 (R2卒)

 

本日は頸椎グループの先生方、手術室看護師の方々、DePuySynthes社様のご厚意により、頸椎後方手術実習に参加させて頂きました。REAL SPINEを使用するとのことで、初めて目にするものなので楽しみにしていましたが、まるで実際の患者さんを相手にしているようなリアルな模型であり、とても感動しました。

今回は除圧、スクリュー固定、硬膜縫合の計3種類の手技をやらせていただきました。いつも手術を見学している側としては特段難しそうな手技には見えないようなものでも、実際は脊髄や椎骨動脈等を損傷しないように細心の注意を払っていること、また繊細かつ器用さも必要とされていることに改めて気づかされました。特にエアトームで骨を削るところ、マイクロを用いて硬膜を縫合するところに四苦八苦し、かなりの時間を要してしまいましたが、とても面白く時間があっという間に過ぎていきました。これから手術をする側として、とても勉強になり有意義な時間でした。今後もこのような機会があればぜひ参加したいと思います。

関係者の皆様、本日はこのような貴重な機会を頂き誠にありがとうございました。今回の実習を生かし、さらなる研鑽を積んでいきたいと思います。

 

 

中瀬光看護師 鈴木愛実看護師

 

本日は貴重な勉強会に参加させて頂き、ありがとうございました。初めて実際に顕微鏡下で硬膜縫合してみましたが、術野への距離感や針の向きなど感覚をつかみにくく、普段先生たちが簡単そうに縫合しているのは誰でも出来ることではないのだと思いました。エアトームで骨を削るのも単純そうに見えて、少しの力加減で思わぬ方向に先端が振れてしまい、難しく感じました。実際に器械を触り演習が出来たことでより一層術式への理解が深まり、興味がわきました。本日の経験を今後、頚椎の手術に入るときや後輩への指導に役立てていきたいです。

 

以下写真:開催中の様子