令和5年度 JA共済交通事故医療研究助成受賞報告

更新日 2023.2.14

この度、令和5年度 JA共済交通事故医療研究助成について、当教室の3名の先生方が採択されましたので、報告させていただきます。

 

 

  1. H26卒 三浦正敬

この度、令和5年度のJA共済交通事故医療研究助成・課題研究に「人工知能を用いた、脊椎脊髄損傷患者のMRI画像生成モデルの開発」を採択いただきました。この場をお借りして、採択いただきました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

  今回の課題研究は「交通事故による脊椎外傷の診断・治療に関する研究」というもので、私の研究テーマと合致する点が多くあり、採択を頂く事が出来たのではないかと存じます。

本研究へ助成を採択頂くのは三井住友海上福祉財団様に続いて2度目になります。大変光栄に存じますとともに、社会からの強い期待感をひしひしと感じ、より一層気が引き締まる思いがいたします。研究を少しでも前に進められるよう日々努力して参ります。

最後に、日頃から研究をご指導いただいております大鳥精司教授、古矢丈雄先生、牧聡先生、一緒に研究を進めてくださっている頚椎班大学院生、ならびに同門の先生方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

 

 

  1. H22卒 向井務晃

この度、令和5年度 JA共済交通事故医療研究助成に採択されましたので御報告させていた

だきます。研究テーマは、骨形成特異的iPS細胞由来血小板製剤の開発になります。

本研究テーマ、プロジェクトは2016年に千葉大学医学研究院に開設されました、イノベーション再生医学講座と整形外科の共同研究です。

京都大学iPS研究所の江藤浩之教授(千葉大学イノベーション再生講座教授兼任)が開発されました、iPS細胞由来の巨核球・血小板作成技術と整形外科腰グループで行われてきた、多血小板血漿(Platelet-rich plasma; PRP)の骨形成促進効果の研究技術を基盤に進めております。大学院生では、佐藤雅先生・水木誉凡先生が研究に従事、卒業され、現在は新井隆仁先生、田代奨先生が研究を継続されております。私は2021年4月より特任助教として、赴任させていただき、研究を行っております。

iPS細胞由来の巨核球を血小板に分化後活性し、得られたサイトカイン製剤(iPS cell derived megakaryocyte and platelet; iPM)を用いて、骨形成促進効果について研究を行っております。

イメージとしては、「人工PRP」ということになりますが、当製剤には血漿成分は含まれておりません。現在までにラットでの骨形成促進効果を確認し、ラビットでの実験も開始しております。

iPMにはBMP familyがほとんど含有していないことより、本テーマは第2世代の治療シーズとして、iPS細胞由来の巨核球にBMP2の遺伝子導入を行い、BMP2を含むiPM製剤を作製、骨形成促進効果の向上を検証するという内容です。

交通事故後の難治骨折治療や脊椎不安定症に対する固定手術の骨癒合促進に寄与できればと考えております。また習得した研究技術や実験系は整形外科の基礎研究にも還元できればと考えております。

当研究について、御指導いただいております、イノベーション再生医学講座の江藤浩之教授、高山直也准教授、また整形外科の大鳥精司教授、志賀康浩准教授に感謝申し上げます。また研究を支えていただいている院生の先生方、スタッフの方々、研究を応援していただいております、同門の先生方にも心より感謝申し上げます。

引き続き、御指導御鞭撻の程、よろしく御願い申し上げます。

 

 

 

  1. H18卒 萩原茂生

この度「有限要素解析を用いた大腿骨骨折に対する早期荷重と骨癒合促進を可能とする固定方法の開発」というテーマで上記研究助成を受賞いたしましたのでご報告いたします。

大腿骨骨折は高エネルギー外傷から高齢者の脆弱性骨折まで幅広く生じる骨折であり、下肢機能だけでなく生命に直結し得る外傷となり得ます。当グループでは松浦先生のご協力の下、大腿骨骨折のバイオメカ研究を続けておりました。力学試験から材料特性の検証を行い骨形態や転倒方向と骨折の関連についての検討を行ってきましたが、本研究では髄内釘を用いた固定方法についての解析をさらに進めていくことを計画しております。

本研究ではクリニカルアナトミーラボでの研究も予定しており、白菊会の皆様のご協力には心より厚く御礼申し上げます。ご指導いただいております松浦先生と鈴木崇根先生にもこの場をお借りして感謝申し上げます。今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。

 

 

今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。