JRAとのCLAP共同研究で松葉賞(優秀研究賞)を受賞しました
更新日 2024.1.9
多くの方々にご支援いただき千葉ではかなり根付いてきた骨関節感染症治療であるCLAPですが、
より裾野を広げ、より深く研究を進めるべく日本中央競馬会(JRA)と共同研究を進めています。
ひとまず臨床研究として、これまで感染率が高く国内成功例のない関節固定術の術後難治性感染にCLAPを行なった症例について
2023年11月27日、第65回競走馬に関する調査研究発表会で西岡孝之獣医師、三田宇宙獣医師にご発表いただき、
優秀な研究に送られる『松葉賞』を受賞いたしましたので報告させていただきます。
ある学会の懇親会の場での出会いに端を発し、自分が美浦トレーニングセンター競走馬診療所に出向く形で診療を行ってきました。
もちろん世界初の馬へのCLAPですので、チューブを嚙み千切る、骨髄針が曲がる、毛のせいで陰圧がかからない等々、多くの困難がありました。
また、医師と獣医師の間での文化の違い、壁も感じることも少なくありませんでしたが、獣医師の方々の熱意はすごく、丹念に議論を重ねて馬に適した方法を模索しました。
その結果、なんとか感染の制御、創部の治癒、骨癒合を得ることができ、最終的には痛みなく走れるところまで到達することができました。
結果として、国内初の中手施設関節固定術の成功例となりました。
お二方にご発表いただいた際にも、会場から多くの質問をいただき、丁寧にかつ自信をもってお答えいただき、CLAPへの理解・信頼を得られたことを実感いたしました。
このような経験はなかなかできることではなく、とても刺激的な毎日でした。(日常診療の合間でしたので少し大変でしたが。)
この結果から、CLAPの有効性はもちろんのこと、その適応は極めて広く多くの先生方にご利用いただける可能性が垣間見えてくると感じています。
今後は、馬の臨床とともに研究馬を用いた基礎研究も進め、よりCLAPの発展に寄与していくことができたらと考えています。
現在、人での多施設研究なども進行中であり、保険収載を目指し研究を進めております。
今後ともご支援、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。
松葉賞受賞の西岡先生
松葉賞賞状