令和6年度JA共済交通事故医療研究助成受賞報告

更新日 2024.2.24

イノベーション再生医学講座、整形外科
向井 務晃

この度、私達が進めているプロジェクトが、令和6年度 JA共済交通事故医療研究助成に採択されましたので御報告させていただきます。研究テーマは、凍結乾燥iPS細胞由来巨核球・血小板製剤の規格最適化と中型動物での検証になります。

本研究テーマ、プロジェクトは2016年に千葉大学医学研究院に開設されました、イノベーション再生医学講座と整形外科の共同研究です。

 

京都大学iPS研究所の江藤浩之教授(千葉大学イノベーション再生講座教授兼任)が開発されました、iPS細胞由来の巨核球・血小板作成技術と整形外科腰グループで行われてきました、多血小板血漿(PRP)の骨形成促進効果の研究技術を基盤に進めております。大学院生では、佐藤雅先生・水木誉凡先生が研究に従事、卒業され、現在は新井隆仁先生、田代奨先生が研究を継続されております。

 

研究内容は、iPS細胞由来の巨核球を血小板に分化させ、凍結乾燥させた製剤を用いて、その骨形成促進効果を検証することです。臨床応用を見据えて研究を進めております。

現在までにラットでの骨形成促進効果を確認し、ラビットでの実験も順調に進んでおり、論文化を進めております。また製剤の規格を改良するために、巨核球の培養期間の検討、製剤の担体、投与量などの検証を進める予定です。

 

交通事故後の難治骨折治療や脊椎不安定症に対する固定手術の骨癒合促進により、社会貢献に寄与出来ればと考えております。

 

当研究について、御指導いただいております、イノベーション再生医学講座の江藤浩之教授、高山直也准教授、また整形外科の大鳥精司教授・志賀准教授に感謝申し上げます。また研究を支えていただいている院生の先生方、スタッフの方々、研究を応援していただいております、同門の先生方にも心より感謝申し上げます。

引き続き、御指導御鞭撻の程、よろしく御願い申し上げます。