第68回日本リウマチ学会学術集会秀逸ポスター賞受賞報告

更新日 2024.5.5

股関節グループ
寺川 寛朗

このたび、「初回人工股関節置換術セメントステムにおけるcortical hypertrophyは臨床成績に影響するのか?」という研究で秀逸ポスター賞を受賞致しましたのでご報告申し上げます。

 

2024年4月18日から20日に山形大学の髙木理彰教授の主幹のもと神戸で開催されました、第68回日本リウマチ学会学術集会に参加して参りました。内科の先生も多く参加されており、普段の学会と少し違った雰囲気のなか活発な討論が行われておりました。

千葉大学整形外科からも10名で参加させていただきました。同期の平成27年度卒の山縣寛之先生も「臼蓋形成不全を伴う変形性股関節症における脊椎アライメントの特徴」の演題で秀逸ポスター賞を受賞されており、嬉しいことに千葉大学整形外科はダブル受賞になりました。

 

本研究は私が松戸市立総合医療センターを研修中に当時の同院副院長(現 松戸上本郷整形外科院長)の飯田哲先生のご指導を受けスタートし、千葉大学リウマチ股関節グループで瓦井裕也先生のご指導を受けブラッシュアップしたものです。松戸市立総合医療センターで行われた人工股関節置換術に関して、cortical hypertrophyに注目して後ろ向きに検討しました。cortical hypertrophyは人工股関節置換術後の大腿骨側変化としてよく知られていますが、まだ報告が少なく、臨床成績との関連は議論があるところです。本研究においてはcortical hypertrophy出現例で有意に歩行、ADLのスコアで臨床成績が良好であったことから高い活動性とcortical hypertrophy出現に関連がある可能性が示唆されました。

 

本研究は飯田先生が松戸市立総合医療センターで20年以上に渡り執刀されてきた手術症例の積み重ねがなければ成り立ちません。この場をお借りして飯田先生に感謝と敬意を申し上げます。また瓦井先生をはじめ、日頃よりご指導いただいております先生方に心より御礼申し上げます。

 

現在、本研究の論文化を進めつつ、基礎研究も並行して行なっているところです。引き続き精進して参りますので、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます