この度、令和6年度三井住友海上福祉財団の研究助成(交通事故・各種災害の防止等分野)に、「交通事故に伴う脊椎骨折の見逃しを防ぐための大規模言語モデルを用いた電子カルテスクリーニングシステムの開発」が採択されました。この場をお借りして、財団関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
本研究の目的は、検索拡張生成(RAG)と大規模言語モデル(LLM)を活用し、交通外傷患者の初期対応時における電子カルテのテキストデータから脊椎骨折を識別する新しいスクリーニング手法を開発することです。2024年4月に施行された医師の働き方改革により、夜間の救急外来では経験の浅い医師が初診を担当する機会が増え、フォロー体制の不備から診断が困難となるケースが増加しています。本研究は、電子カルテデータを活用した高精度なスクリーニングシステムの実装を目指し、診断の迅速化と確実性の向上を通じて、交通事故による救急診療の質を向上させることを目指しています。
贈呈式は六本木の住友会館にて行われ、様々な分野でご活躍されている先生方のお話を伺う貴重な機会をいただき、大変刺激を受けました。
今回の研究助成の採択を励みに、引き続き研究に邁進してまいります。最後になりますが、日頃から研究をご指導いただいております大鳥精司教授、古矢丈雄先生、牧聡先生、ならびに同門の先生方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。