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私の使っている医療統計ソフト

更新日 2021.3.23

私の使っている医療統計ソフト

平成21年卒 瓦井裕也

 

第2回は私の使用している統計・グラフ作成ソフトをご紹介させて頂きます

 

1. JMP

 JMPはSAS社より発売されているビジュアル探索型データ分析ソフトウェアで、グラフとデータの双方向的なリンクにより、分析結果を視覚的に理解できるため直感的に非常にわかりやすいソフトウェアです。回帰分析、ANOVA、主成分分析、クラスター解析といった多変量解析も行うことができます。またデータの編集機能に優れ、高度な分析手法も取り入れられている一方で、余計な機能が絞ってあり、我々のような臨床医でも扱いやすく設計されております。更に研究の内容や必要な統計手法、オプションに応じてJMP Live, JMP Pro, JMP Clinical, JMP Genomicsといった製品もあり研究に応じたソフトを使うこともできます。千葉大学病院ではJMP利用に関してサイトライセンス契約を結んでおり、多くの大学院生がJMPを利用して日々研究の解析を行っております。

 

2. Prism

 Prismは薬理学研究者であったDr. Harvey氏によって開発され、医学統計に特化した統計解析ソフトとして医学・生物・薬学・私学・看護学分野の論文で数多く利用されています。Prismは統計学者ではなく、研究実験に従事する研究者のために開発され、その一番の魅力はグラフの作りやすさです。データから自動に一番適切な検定法を推奨する機能を有し、必要な統計を選択すると推奨するグラフレイアウトが自動に作成されます。またグラフレイアウトのアレンジも簡単な操作で可能です。グラフの細かいレイアウトを変更した際には、ボタン一つで他のグラフも同じレイアウトに変更することもできます。更に自分のよく使うテンプレートを保存することができ、類似した研究を複数行う場合に非常に有用です。グラフの出力に関してもファイル形式、解像度、サイズ、カラーモデルがすべて選択でき、すぐに論文用のグラフを出力することができます。また最新版のPrism9では多変量データの取り扱いも向上しており、JMPとほぼ同等の統計を行うこともできるようになりました。

 

 どちらのソフトウェアもユーザーフレンドリーなインターフェイスですが、私はグラフ作成のしやすさから現在はPrismをメインで使用しております。少しでも後輩の先生方の参考になれば幸いです。