【中〜上級者向け】診断精度や評価の信頼性・妥当性の研究に役立つ資料
更新日 2021.8.9
画像計測や臨床評価などの研究を行う際には、計測や評価の信頼性を担保する必要があります。過去に用いられている計測法でも、改めて信頼性を確認し、”The measurement reliability was excellent. The intra- and inter-observer ICC was XX and XX, respectively.” などと記載すると、研究の質が高いような雰囲気になり、論文投稿の際にreviewerの印象が良くなるかもしれません。
しかし、ICC(級内相関係数、intraclass correlation coefficient)は、いくつの信頼性の指標のひとつにすぎません。診断精度や検査の信頼性・妥当性の検証を目的とした研究を行う際にはこれだけでは不充分です。慎重に研究計画をたてないと、論文投稿の段階で困ったことになります。
以下のガイドラインが参考になります。
STARD 2015: An Updated List of Essential Items for Reporting Diagnostic Accuracy Studies
https://www.equator-network.org/reporting-guidelines/stard/
診断精度の研究を報告する際に必要な項目を示したガイドラインです
An updated QUality Assessment tool for Diagnostic Accuracy Studies (QUADAS-2)
https://www.bristol.ac.uk/population-health-sciences/projects/quadas/quadas-2/
診断精度の研究の質を評価するためのツールですが、研究計画の作成にも役立ちます。
COnsensus-based Standards for the selection of health Measurement Instruments (COSMIN)
難解ですが、そもそも信頼性、妥当性とはなんぞや、それらを評価するためにはどのような指標を用いればよいか、ということが詳細に説明されています。
上記を参考にして行った研究の例です。
Nonradiographic measurement of hallux valgus angle using self-photography.
Yamaguchi S, Sadamasu A, Kimura S, et al. J Orthop Sports Phys Ther. 2019 Feb;49(2):80-86.
Takakura Y, Yamaguchi S, Akagi R, et al. BMC Musculoskelet Disord. 2020 Apr 28;21(1):276.