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Cureus:症例報告の投稿先、お蔵入り原著論文の救世主?

更新日 2021.8.31

牧 聡(H18年卒)

 先日投稿した症例報告の投稿先ですが今でもアクセス数がTOP10前後あり、困っている先生が多いと推察いたします。今回は新たな症例報告の投稿先の候補の雑誌を紹介します。またお蔵入りしそうな原著論文の投稿先としても使えるかもしれません。

 

https://www.cureus.com/about

 

 Cureusはインパクトファクターはありませんがオープンアクセスにも関わらず投稿費用は基本的に無償で(実際は症例報告ですと修正箇所に応じて校正料として200-300ドル取られることが多いようです)しかもPubMedに収載されます。

 

 Cureusのコンセプトは、医師個人の臨床経験を症例報告という形で気軽に投稿できるような環境を用意し、論文としての体裁を安価に整えて、インターネット上に「知の蓄積」をしようということのようです。

 

 投稿の様式も非常に簡単(アメリカの確定申告のソフトを真似ているらしいです)で学会の抄録登録くらいの感覚で枠内に用意した文章をコピペしてくだけで論文の体裁が整います。

 

 査読は投稿者側から候補を何名か提示し、その中から1名、雑誌側から指名の1名の(最低でも)合計2名から行われます。査読のプロセスも(症例報告ならば)2―3週間と非常に早いです。(掲載決定からPubmed収載までは1ヶ月くらいかかりました)

 

症例報告の雑誌はインパクトファクターが無いものがほとんどですし、投稿料も数百ドル、査読期間も結構かかりますので、点数つきの雑誌を狙うくらいの「これは」という症例報告以外であれば症例報告の投稿先として第一選択で検討してもよいと思います。

 

また残念ながら漂流してお蔵入りしかけた原著論文もPubmed収載されていない雑誌に出すよりは、Pubmed収載されていて人目に触れる機会の多いこちらの雑誌への投稿を検討してもいいのではないでしょうか。

 

2023/06/30追記

なんとCureusにIFがついたようです(1.2)。ハードルが上がって救世主と言ってられなくなってしまうかもしれませんね。。。

https://www.cureus.com/newsroom/news/187