Research

研究

主張が伝わる!Discussionセクションの書き方

更新日 2022.1.21

千葉大学 整形外科
牧 聡(H18年卒)

若い先生の書いたDiscussionを読んでいると何が言いたいのか主張が見えてきにくい文章になっていることが多いと感じます。原因は適切な段落の構成とパラグラフライティングが実践されていないことだと思います。

 

Discussionの段落構成の一例を下記に示します。種々のパターンがありますが、概ね似たような展開になっているはずです。

 

第1段落

主な研究のサマリー(今回の研究では①と②(と③)が分かった)

第2段落

①の発見の内容をまず1文目に書く(トピック文)。そのあとでその妥当性を過去の研究と比較して論じる

第3段落

②の発見の内容をまず1文目に書く(トピック文)。そのあとでその妥当性を過去の研究と比較して論じる

第4段落

③の発見の内容をまず1文目に書く(トピック文)。そのあとでその妥当性を過去の研究と比較して論じる

第5段落

臨床的意義について。①〜③の補足を書いてもよい

第6段落

研究の限界(多くて3つまで。言い訳が書ける程度の限界を書く。致命的なものは書かない)

第7段落

結論

 

重要なポイントを以下にまとめます。

  • パラグラフライティングを心がけて段落の1文目にトピック文(一番言いたい1文)が来るようにしてください。パラグラフライティングはこちらが大変良くまとまっており必読です。
  • わかったことの①〜③は重要度が高い順にしてください。
  • 重要な当該領域の論文は必ず引用するようにしてください
  • 段落の初めに言いたいことではなくこれまでの「研究の歴史」を書かないでください
  • 結論に結びつかないような無駄な情報はカットしてください

 

参考文献

臨床研究と論文作成のコツ 読む・研究する・書く 松原茂樹  (著, 編集)

必ずアクセプトされる医学英語論文 康永 秀生  (著)