Research

研究

ChatGPTを使って論文の英文校正をする

更新日 2022.12.12

千葉大学 整形外科
牧 聡(H18年卒)

Chat GPT は、自然言語処理 (NLP) 技術を使用して、特定の入力に基づいてテキストを生成する言語モデルです。 今回はChat GPT を使用して英語の文章の修正をして、文章の質と明瞭さを向上させる方法を紹介します。

https://chat.openai.com/chat

 

それでは、Chat GPT を使用して英語の編集と校正を行うための手順について説明しましょう。

 

まず下記のprompt(AIに出す指示のこと)をチャットボックスに入れ””内に校正したい文章を入れます。日本語を直接入れても英語が出てきますが、Google翻訳で英訳した文章を入れた方が洗練された英語になります。(ChatGPTは日本語の入力も受け付けますが英語での入力の方が圧倒的に正確な回答が得られるため)

下記のprompt(一部改変)の出典はこちらのAwesome ChatGPT Promptsです。他にも”awesome”なpromptが沢山あります。

 

I want you to act as an English translator, spelling corrector and improver. I will speak to you in any language and you will detect the language, translate it and answer in the corrected and improved version of my text, in English. I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, upper level English words and sentences. Keep the meaning same, but make them more scientific and academic. I want you to only reply the correction, the improvements and nothing else, do not write explanations. My sentences are “ここに文章を入れる”

 

Chat GPT によって生成された提案を確認し、英語のテキストに必要な変更を加えます。 個人の好みや目標に応じて、各提案を受け入れるか拒否するかを選択することもできます。

 

英語のテキストの質と明瞭さに満足するまで、上記の手順を繰り返します。 また、ChatGPT を使用して、修正されたテキストに残っているエラーや改善の余地がないかどうかを確認することもできます。

 

これらの手順に従うことで、Chat GPT を使用して英語の文章の質と明瞭さをすばやく簡単に改善し、より洗練されたプロフェッショナルなものにして英語のライティングを次のレベルに引き上げるのに役立ちます。

 

 

※上記の文章はprompt以外の部分をほとんどChatGPTに記載してもらっています。論文作成の大半の工程がAIに置き換わる時代があと数年後に来る気がします。その時代では査読もAIが一端を担うことになるでしょうし、論文自体の価値も見直される必要があるかもしれません。

※ChatGPTはユーザーからのフイードバックで強化学習を行っているためpromptも学習の対象になっていますので個人情報や論文の大事な部分は入力しないよう気をつけてください。→一部規約変更あり、3.6追記の記載確認ください。

 

パラフレーズ 用のpromptも置いておきます。

I would like you to paraphrase in English. I will give you the sentences of the paper in English, and you will paraphrase the text and reply in English. Try to change the structure of the sentences as much as possible, keep the meaning as it is, and keep the tone scientific and academic. Please reply only with corrections and improvements. Please do not write a description. my writing is “ここに文章を入れる”

 

(2023.2.2追記)

各出版社が大規模言語モデルについての取り扱いを表明し始めて来ました。Science誌は大規模言語モデルの使用を禁止しています。(大半の整形外科医には関係ないと思いますが。。。)Springer-Nature と Elsevier は大規模言語モデルの使用自体は禁止ではないがMethodやAcknowledgementにその使用を記載することを義務づけています。

 

またAI生成文章の検出も可能になってきています。

GPTZero

AI Text Classifier (OpenAI)

今後、剽窃と同様に出版社が事前にAI生成文章の比率を確認してくることもあるかもしれません。

上のpromptの

”I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, upper level English words and sentences.”

の部分は元の文章の大幅な改訂に繋がりAI生成文章の比率を増やしてしまうので気なる方はカットしたほうがよいかもしれません。

 

(2023.2.18追記)

Chromeの拡張機能で校正の結果をトラックできるものが出ています。校正結果の採用、不採用も調整できます。

editGPT

 

(2023.3.6追記)

3/2にOpenAIがChaGPTのAPIを公開しました。それと同時に規約も変更になり(通常のChatGPT のインターフェイスからは従来通り入力は学習に使われると思いますが)API経由の入力は学習に使われないことになりました。気になる方は「ChatGPT、API、使い方」などで検索してしてみてください。

 

(2023.3.20追記)

こちらのリンクから入力を学習データに使わないで欲しいとオプトアウトすれば使われないで済むようです

参考

https://help.openai.com/en/articles/5722486-how-your-data-is-used-to-improve-model-performance