Seminar/Column

セミナー/コラム

整形外科 Cadaver Workshop in Chiba <Spine>

Basic CAL course

更新日 2018.6.16

平成30年6月10日 開催

千葉大学整形外科学 助教
牧 聡

平成30年6月10日、シニアレジデントを対象とし整形外科 Cadaver Workshop in Chiba <Spine> ~Basic~ が千葉大学Clinical Anatomy Lab(CAL)にて開催されました。本Workshopはシニアレジデントを対象として胸腰椎の除圧と固定術の手技の習得を目的として行われました。

 脊椎の手術は解剖がイメージしづらく、手術の最小侵襲化に伴い術野が見えにくいなど、普段若手の先生にとっては取っ付きづらいイメージがあるかもしれませんが、執刀という立場で手技の確認ができたことで脊椎手術を少し身近に感じることができたのではないかと思います。今後脊椎手術の執刀、助手をする際には大きく役立つことが期待される有意義なWorkshopとなりました。

 鈴木崇根先生を始めとするCALスタッフの皆様、およびCALの趣旨に同意し賛同して献体頂いた献体者の方と御遺族の皆様、千葉白菊会の方々に、改めて御礼申し上げます。また、共催頂きましたNPO 法人 千葉医師研修支援ネットワーク事務局の方々に厚く御礼申し上げます。

参加者の声

千葉県がんセンター 整形外科 シニアレジデント
俊 徳保

この度、整形外科Cadaver workshop in Chibaに参加させて頂きました。

最初に講師の先生から基本的な解剖や術式についての講義を受けた後、ラボでの実習となりました。

実習の開始時に献体された方への黙祷を捧げ、午前・午後でそれぞれ胸椎・腰椎の手技について御指導を頂きました。普段自分達が経験を積みづらい領域であり、気付けば終了時刻となっていました。皆で再度献体の御意志に感謝の黙祷を捧げ終了となりました。

脊椎の範囲では骨と神経が接しており、実際の手術では数ミリの違いで血管や神経に影響が出かねません。今回は脊椎を専門とする先生方の御指導の下、その重要組織の位置や術中の注意点などを勉強でき大変貴重な経験となりました。また生体では不可能な展開を行える事で、普段確認が困難な器具の適正位置などが非常に分かりやすく勉強出来ました。このWorkshopで得た知識を今後の臨床でぜひ活かしていきたいと思います。

最後になりますが、このようなご機会を与えて下さった白菊会の皆さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。

東千葉メディカルセンター 整形外科 シニアレジデント
賀 鵬

このたび、千葉大学Clinical Anatomy Lab(CAL)で脊椎手術の講習会に参加させていただきました。整形外科を目指し、経験の浅い私たちにとって非常に貴重な機会で、本当に感謝しています。

 流れとして、まず脊椎の解剖を復習しました。その後基本的な脊椎手術(LOVE法、椎弓切除)について、経験豊富な講師の先生のデモンストレーションを見せて頂いたあと、私も手技を実践させて頂きました。午前胸椎、午後腰椎でぎっしりしたスケジュールの下、充実な1日で勉強させていただきました。

 臨床現場で脊椎の手術は視野が狭く、解剖も分かりにくいことから、いつも難しいイメージがありますが、今回のWorkshopを通し、解剖はもちろんのこと、機械の使い方、術式についても理解を深めることができました。また実際の手術では、侵襲を軽減するため、皮切や筋肉・血管・神経の同定を最小限にしなければならず、全体像を把握することは困難です。今回、Cadaverの解剖を通じてしっかりと確認でき、脊椎の隣接組織と、血管・神経の走行についてより明白なイメージが得られました。Cadaverから出血はないので、実際の手術と違うところもありますが、かなり実臨床に近い状態で学ぶ事ができました。

 今回、千葉大学で御遺体を使った講習で学ばせて頂いたこと、私の診察する患者さん達に必ず還元していきます。

最後になりましたが、サポートして頂いた千葉大学整形外科学の皆様、鈴木崇根先生を始め環境生命医学スタッフの皆様、そして御献体頂きました献体者とその御家族、千葉白菊会の皆様に深く感謝申し上げます。