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名誉教授の独り言 (171) 再発胃癌

更新日 平成29年4月25日

昨年11月始めに、年に一度の胃カメラを受けました。胃癌術後10年目でした。胃カメラ後に主治医が変な顔をして「生検をしましたので1週後に来院して下さい」と言われ、行ったら「異型細胞が出ているので癌になる前に取ってしまいましょう」との診断でした。胃に異型細胞があると言われたら、ほとんどは癌なので覚悟して胃カメラでの粘膜切除を受けました。結果は胃癌の再発でした。実は術後7年目ごろに「異常なし」の診断だったので、親友である名医の鈴木一郎君に「もう良いかな?」と相談したら「正常だった胃に癌が出来たので、残っている胃にまた癌が出来る確率はあるので定期的に胃カメラはやってもらった方が良い」との言葉に従った結果でした。一般的に術後5年もするとなんとなく胃カメラをしなくなるようですが、私がそうしたら今回のように再発胃癌を見つけることはできなかったと思います。もし胃癌体験者の方がこのブログを読んでいるようでしたら、人生を諦めるまで年に1度の胃カメラをお勧めします。
 入院は7日でした。3日目ぐらいにはすっかり元気になりましたので、退院を申し出たのですが、術後クリニカルパスは入院9日になっているのでおまけしても7日はいてもらわないと困る、ということで退院させてもらえませんでした。私自身は約30年間、教授をしたり、病院長をしたり、病院事業管理者をしたりで我儘でしょうがないと自覚していますが、何より不満だったのは流動食、お粥が不味かったことです。もう少し塩気をつけるとか、だしを入れるとかしたほうが良いと思いました。こんなに不味い食事を出して7日間も元気になった老人を入院させておくのは不合理であり、食事指導をして、もっと早く、患者の責任で退院させるべきと思いました。
 術後の主治医の説明では粘膜を切除したところはクリップで縫縮したが少し出来なかったところがあり、胃潰瘍状態になっているので、術後1ヶ月は禁酒、2ヵ月はNSAIDS禁止とのことでした。お酒は守れましたが、NSAIDS禁止は守りましたが辛かったです。以前から腰痛があり特にゴルフの時にはNSAIDSが必要でしたが、今回は温湿布などで頑張りました。2ヵ月近くなった時に、「そうだ、座薬を使えばよいのだ!」と思いつきました。整形外科医としてはお粗末な話でした。でも、これは主治医が言ってくれてもよかったかな、とも思いました。
 術後2ヶ月ごろ、腰は痛いし、食欲は進まないし、体重が2Kgぐらい減少し、それがなかなか回復しませんでした。消化器の病気は整形外科とは違うなー、と思いました。さらに1月は稀勢の里が横綱になれるかもしれないという毎日でほぼ毎日両国に通い、砂被りに3~4時間座っていましたので、腰痛はさらにひどくなり、体調回復には悪影響がありました。
 最終的に術後2ヶ月での胃カメラで粘膜は回復しており、体調も術後3ヶ月ごろから回復してきました。
 稀勢の里は1月場所優勝し横綱になりましたし、さらに3月場所でも、左肩周辺を負傷しましたが連続優勝し、万々歳でした。これでゴルフが復調すれば文句ありません。