Seminar/Column

セミナー/コラム


TOTAL 00457980 | 本日 00010 | 昨日 00091

名誉教授の独り言(180) 日馬富士殴打事件

更新日 平成29年12月29日

 日本相撲協会はここ10年ぐらい暴力追放を掲げてきて、各部屋の稽古場には竹刀を含め棒状の物は一切置いてないとある親方が言っていたのを思い出していますが、残念ながらまた起こってしまいました。最初に日馬富士が貴ノ岩の頭をビール瓶で殴った、診断書に「頭蓋低骨折、髄液漏の疑い」と書いてあったというので、大変驚きました。確かにビール瓶の底の部分で殴ったら頭蓋亭骨折も髄液漏も起こるだろうと思い、大変驚き、真相を知りたいこともあり。TV局に行きました。その診断書は慎重を期して、もしかしたら…、と言おうとして書いたものであることが判りホッとしました。その後は貴乃花親方は一切しゃべらず、貴ノ岩の日本相撲協会による事情聴取にも応じさせず、ただ混乱していっただけでした。貴乃花親方が日本相撲協会を良くしたいと思っていることは分かっていますが、今回の事件に対する一連の対応はおかしいと思わざるを得ません。貴ノ岩を殴って負傷を負わせた日馬富士は自主的に引退することとなり、12月20日に開催された臨時横綱審議委員会、臨時理事会の決定で、彼の師匠の伊勢ケ浜親方は、自分で申し出て2階級降格となり、今日の臨時理事会で貴乃花親方の2階級降格が評議員会に答申されました。

 確かに貴乃花親方の弟子の貴ノ岩は被害者ですが、貴乃花親方は貴ノ岩への日本相撲協会の事情聴取を許可しないで事件の解決を、ただ後回しにしているのは幹部理事として取るべき態度だとは思えません。今日の臨時理事会の決定は正しいと思います。

 大学で教授をしていた時に出張病院で何かと問題を起こし部長あるいは病院長と上手くいかない教室員が何人かいました。その医師を他の病院に移動させてもまた、同じような問題が起こったりしましたので、そういう教室員の処遇には大変困りました。貴乃花の今回の対応でこんなことを思い出しました。

 何はともあれ、事件が解決し、来年が日本相撲協会にとり、全国の、全世界の大相撲ファンにとり良い年になることを願っています。