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AAOS 2018 Annual Meetingに参加して

更新日 2018.3.15

H21卒
瓦井 裕也

 2018年3月6日から3月10日に米国ニューオーリンズで開催されましたAAOS 2018 Annual Meetingにて口演発表の機会を頂きましたので報告させて頂きます。学会初日の「成人股関節再建」のセッションにて”Comparative study between the direct anterior and the anterolateral approaches in the supine position“ の内容で口演をさせて頂きました。アメリカでは日本以上に人工関節置換術への関心が高く、広い会場で講演させて頂きました。私自身は初めての国際学会の口演であり、いささか緊張しましたが、会場の最前列にリウマチ股関節班の見慣れた面々が陣取ってくれたおかげで、医局会に近い雰囲気で発表を終えることができました。人工関節分野では同門から千葉労災病院の清水耕先生が、「成人膝関節再建」のセッションでTKA後の血栓のリスクファクターについて、2400もの症例を詳細に解析したデータを口演発表されました。清水先生は毎年AAOSにてご発表されており、多くの質問に慣れたご様子で答弁されておりました。

 発表後はみなでjazzの街ニューオーリンズを満喫しました。生演奏のバーで偶然、山崎教授と遭遇し、一緒にjazzを楽しませて頂きました。

 AAOS最終日にはSpecial dayという、一日にわたりその分野の最先端の発表をまとめて学ぶ日があります。私も股関節分野の口演を拝聴し、特に脊椎と股関節とのアライメントの分野と、アメリカで多く行われているsame day discharge THAの分野が多くの聴衆の興味を集めている印象でした。

 AAOSは私がフレッシュマンの頃、大鳥教授が教育研修講演に招かれた際に初めて参加しました。いつかこのような舞台で発表できたらと思っていたところ、幸いにも発表の機会を頂きました。今回の内容は松戸市立病院でのTHAの成績をretrospectiveに解析したもので、発表のための研究ではなく、いわば関連病院におけるありのままの医療をまとめたものです。この関連病院におけるありのままの医療が世界的に評価されるということは我々若手にとって、非常に素晴らしい環境で研修できているとも感じられ、非常に励みとなりました。後輩の先生方も関連病院で自分の興味のあることがあれば、どんどんまとめて発表すると良いと思います。

 最後になりますが、普段よりご指導を頂いております大鳥精司教授、この研究をまとめるようにご指導頂いた松戸市立総合医療センターの飯田哲先生、滞在中ご指導頂きました萩原茂生先生、発表を見守ってくれたリウマチ股関節グループの大学院生、留守中大変お世話になりました大学の文部教官の先生方、リウマチ股関節グループの中村順一先生、病棟業務などでお世話になりました大学院の先生方とフレッシュマンの先生方に心より御礼申し上げます。

 またこのような貴重な機会を援助して頂きました公益財団法人ライフサイエンス振興財団の方々にも深く感謝の意を述べさせて頂きたいと思います。

 本学会で得た知見を今後の臨床、研究につなげていきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます。