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組織細胞化学講習会参加記

更新日 2018.8.8

葉 佐俊(平成25年卒)

201881日から2日にかけて奈良市のなら100年会館にて開催されました日本組織細胞化学会主催の第43回組織細胞化学講習会に参加いたしましたので報告させていただきます。

私はこの4月にリウマチ・股関節グループの一員として大学に帰局しました。そこで基礎班に配属され日夜基礎研究に励んでおります。実験を進めていくうえでラットの麻酔から始まり、組織の固定、標本の作製・染色など様々な技術が必要となります。しかし学生の頃はまだしも医師になった後にもその手法を学ぶ機会は中々無く、過去に同様の研究を進めてこられた先生方のやり方を模倣するような形で行ってまいりました。

そんな中一緒に研究を行っている瓦井裕也先生(H21年卒)の勧めもあり、前述の講習会に参加いたしました。整形外科以外の科の先生は勿論のこと、技師さんや業者の方々総数300人以上が参加されていました。

初日は組織の固定や標本作成、蛍光抗体法の基礎など今自分の研究で直接行っている内容から始まり、光学顕微鏡や免疫電子顕微鏡の使い方やそれで得られたデータの解析方法などを聴講しました。今までは仕組みや原理などを全く理解せず決められた手順で行っていたものが分子レベルでは実際にどの様なことが起きて観察できるのか、またそれをどう解析し、伝えるのかを詳細に理解することが出来ました。

二日目はin situ hybridizationWestern blotting法の原理や基礎の内容や、最近話題となっているゲノム編集の話を聞くセッションもありました。私の研究とは少し違った分野であったため全てを理解するのは困難でしたが昨今の基礎分野で行われているものの片鱗を垣間見ることが出来、今後の研究に対するモチベーションも向上しました。

三日目には技術講習会(Wet Lab)もあり、実際に手を動かして学ぶ機会もあります。私は抽選に漏れてしまい参加できませんした。それでも二日間だけではありましたが朝から夕方まで基礎研究に触れることができたのはこれからの大学院生生活のみならず医師人生にも役立つと確信しております。来年の44回は東京で行われるとのことです。大学院生は通常よりも低い参加費で参加できるため基礎に興味のある先生は敷居が高いと考えずに参加してみることをお勧めさせていただきます。