第7回千葉大学医学部附属病院リハビリテーション科例会 優秀演題賞受賞報告
更新日 2023.6.15
2023年6月10日に第7回千葉大学医学部附属病院リハビリテーション科例会が開催
されました。本会において発表した「術後急性期の頚胸椎疾患における歩行自立
度を判断する評価法の検討」が優秀演題賞を受賞致しましたのでご報告させてい
ただきます。
本研究は立位姿勢制御から歩行制御へ切り替わる歩行開始直後の歩行速度に着目
しました。臨床現場では10m歩行など歩行自立度を判定する評価法は存在するも
のの、術後急性期の頚胸椎疾患においては適応が難しく、歩行自立度の判断は個
々の療法士の経験則や施設の方針に委ねられている状況でありました。そこで、
本研究では歩行自立と判断する基準の1つとして歩行開始直後の歩行速度≧0.35m/
secよりも速く歩行できる症例とし、転倒の有無を調査しました。また、転倒と
トレードオフの関係にある歩行機能の改善を調査しました。
結果として転倒2.1%、非転倒97.9%であり、歩行機能は60%以上が改善を示し
ました。よって、術後急性期の歩行自立度を判断するうえで歩行開始直後の歩行
速度は有用な評価であることが示唆されました。
今回の受賞に関して多大なるご助言、ご指導頂きました古矢丈雄先生、大鳥精司
教授、さらに千葉大学頚椎グループの先生方、リハビリテーション部の整形理学
療法メンバーにこの場をお借りして深く御礼申し上げます。