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脊椎骨切り術サージカルトレーニング

更新日 2023.9.27

H13卒
古矢丈雄

2023年9月23日にジョンソン・エンド・ジョンソン インスティテュート東京にて脊椎骨切り術に関する少人数制のサージカルトレーニングを開催致しました。

当日は4名の千葉大学整形外科脊椎班大学院生に、それぞれ生体動物を用いてPedicle Subtraction Osteotomy (PSO)を施行していただきました。この手術は後半に矯正操作という最大の山場を迎えます。序盤、各人丁寧に手術手技を進めていただき、骨切り手術の流れやポイントについて理解を深めました。私は終始アドバイザーに徹し、ほとんど手技には手を出しませんでしたが、最終的に全員矯正操作完了まで到達することができました。自らの手でPSOを完遂させた達成感は、彼らの自信につながったのではと思います。

今回は生体ブタを用いた実習でありました。実臨床同様、出血しますので、止血操作の技術向上にも大変有意義な研修となりました。

 最後になりますが、このような機会を与えてくださいました大鳥精司教授、講師をお引き受けいただきました井上雅寛先生、当日お世話になりましたジョンソン・エンド・ジョンソン担当者の皆様にこの場を借りまして御礼申し上げます。

 

記念写真 前列左から井上先生、古矢、白谷先生。後列左から丸山先生、渡慶次先生、奥山先生

参加記

本セミナーは我々脊椎外科医が普段手術中に難渋する止血操作の手助けとなる様々な止血剤を実践形式で使用させて頂けるものでした。止血剤は1. SURGIFLO (粘性状)、2. SURGICEL Powder (粉状)、3. SURGICEL SNoW (シート状)の3種類を使用させて頂きました。また、手技はブタ生体を使用したPedicle Subtraction Osteotomy(以下PSO)を行ました。PSOは変形矯正で行う骨切り術の1種であり、合併症や出血量も多く若手脊椎外科医ではなかなか実践で行う機会が少ない手技の1つと考えております。

ブタの脊椎 (腰椎)は椎間板が薄く、数もヒトより1-2椎体多いという違いはありますが、形状はヒトに類似しており普段手術で目にしている光景と類似しておりました。もう一点ヒトと異なる今回のPointとなった点として、硬膜周囲の静脈がヒトより太く手技の少しのブレで多量の出血を来たすことが挙げられます。その際に適宜止血剤の選択と使用を行うなど、術者として色々考える場面も多く、普段の手術と全く同じとは言わないものの、非常に実臨床に近い状況下で緊迫したセミナーを受けることができました。

私個人としては、本研修を通じ、普段曖昧に使用していた止血剤に対し適材適所での使用法を整理出来たこと、PSO手技を実際に自身の手で行う機会が得られたことで非常に勉強となり有意義な時間となりました。

セミナーには、スーパーバイザーとして古矢丈雄先生、井上雅寛先生が参加されました。受講側として白谷悠貴先生、丸山準太郎先生、渡慶次壮一郎先生と共に勉強させて頂きました。最後になりましたが、今回このような機会を頂きましたジョンソン・エンド・ジョンソン エチコン事業部大江伸二様、DePuy Synthes Spine事業部成田博和様始め多くのスタッフの方々へこの場をお借りして御礼申し上げます。今後、千葉大学附属病院整形外科脊椎班でさらに研鑽を積んで参りたいと考えております。

 

奥山晃平 (H27卒)