第58回 日本脊髄障害医学会 参加記
更新日 2023.11.25
2023年11月16日、17日に大宮で開催されました第58回 日本脊髄障害医学会に参加いたしましたのでご報告いたします。
本学会は脊髄障害に特化した学会のため、整形外科医のみならずNeurosurgeonも多く参加しており、他の学会と比較し脊髄腫瘍に関する演題が多く大変勉強となりました。また普段の整形外科関連学会ではあまり交わることのない脳外科医師とも議論することができました。千葉大学からは古矢丈雄先生や頚椎班大学院生・専攻医、リハビリテーション部理学療法士3名が発表致しました。
私も初めて学会奨励賞セッションでの発表の機会をいただきました。結果としては残念ながら受賞とはなりませんでしたが、いずれの発表も特に質が高くとても良い刺激を受けました。ご指導いただきました牧聡先生に大変感謝いたします。今後もこのような機会を得られるよう努力を続けたいと思います。
平成29年卒 北川恭太
普段整形外科の先生方の講演をお聞きすることが多い中、本学会ではリハビリテーション科や脳神経科、泌尿器科の先生方からの様々な切り口の議論がなされており大変目新しさを感じました。今年から整形外科医として働き出した私自身としては、まず基礎知識や診断、手術手技に集中して取り組んでいます。そんな中で患者の方々がどのようにして日常に帰っていくのかを今一度立ち止まり、考える良い機会になったと感じております。
同期の山田先生と合わせてポスターセッションを2演題発表させていただきました。私にとって初めての学会発表であり、大変緊張いたしました。また、セッション中も終了後も質問をしてくださる先生方が多く、興味を持っていただけたことに感激する一方で、質問にうまく答えられないもどかしさや至らなさを感じました。日程が終了したあとに、初めて作ったポスターを眺めると、発表までに多くのことを迷い、学んだことを思い出し達成感を感じました。この経験を次に活かせるよう引き続き努力して参りますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
最後に、整形外科医としても演者としても知識や経験が少ない私たちが無事に発表を終えることができたのはご多忙の中でご助言をくださった教官の先生方、多くの発表が控える中でポスター発表の指導をしてくださった大学院生の先生方のお陰であります。心から感謝を申し上げます。また、学会への参加を快諾いただき、不在中ご対応いただきました習志野第一病院ならびにおゆみの中央病院の先生方にも深く御礼申し上げます。
令和3年卒 國安晃弘
本会においてリハビリテーション部からも深田亮PTが「頚椎後縦靭帯骨化症軽症例に対するロコモティブシンドロームテスト」を、桑田麻由子PTが「頚胸椎疾患手術例に対する術後急性期トレッドミル歩行練習の安全性の検討」および「車椅子乗車中の肢位不良によって下垂足が発生した胸椎後縦靭帯骨化症手術例」を、私が「術後運動麻痺を呈した胸椎後縦靭帯骨化症3例における運動麻痺の回復時期および歩行機能の経時的変化」を発表致しました。
本会には整形外科、脳神経外科の先生方が多く参加、発表されているため、脊髄障害領域の病態や治療に関する最新の知見を多く得ることができました。また、それぞれ発表後の質疑応答ではより専門的なご指摘や、多面的なご助言をいただくことができ、大変有意義な時間を過ごすことができ、理学療法士として臨床面および学術面で何が必要とされているか、を考える良い機会となりました。引き続き、臨床と研究の両立を目指して精進して参ります。
今回の発表に関して多大なるご助言、ご指導を頂きました古矢丈雄先生、大鳥精司教授、さらに千葉大学頚椎グループの先生方にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。
髙瀬慶太(理学療法士)
集合写真
前列左より桑田PT、土岐先生、國安先生、永嶌先生。後列左より北川先生、丸山先生、古矢先生、白谷先生
山田裕介先生 ポスター前にて
國安晃弘先生 ポスター前にて