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第23回日本再生医療学会総会 優秀ポスター賞受賞報告

更新日 2024.4.1

向井 務晃/水木誉凡

 この度、私達が進めているプロジェクトが、先日新潟で開催されました、第23回 日本再生医療学会総会優秀ポスター賞に選出されましたので御報告させていただきます。

 

本学会は日本の再生医療を統括している学会の総会(整形外科での日整会総会)ですが、私達の整形外科からの参加者はまだ少ない学会と思います。最先端の研究発表がなされる場であり、ハードルが高いイメージでしたが、プロジェクトの認知を広げるべく発表し、このような賞をいただけました。発表が非常に多岐に渡りますので、どうやら数十演題選出されているようです。

 

研究テーマ:

ヒトiPS細胞由来巨核球・血小板製剤とリコンビナントBMP-2製剤の骨再生能と安全性についての検討

 

本研究テーマ、プロジェクトは2016年に千葉大学医学研究院に開設されました、イノベーション再生医学講座と整形外科の共同研究で、水木誉凡先生が中心となって進めたテーマです。

(水木先生が既に卒業されておりますので、ポスター作製・考察再考・発表などは私がさせていただきました。)

 

本プロジェクトは、京都大学iPS研究所の江藤浩之教授(千葉大学イノベーション再生講座教授兼任)が開発されました、iPS細胞由来の巨核球・血小板作成技術と整形外科腰グループで行われてきました、多血小板血漿(PRP)の骨形成促進効果の研究技術を基盤に進めております。大学院生では、佐藤雅先生・新井隆仁先生が卒業され、田代奨先生が研究を継続されております。

 

本研究テーマは、iPS細胞由来の巨核球を血小板に分化させ、これらの凍結乾燥製剤の骨形成促進効果と副作用を、リコンビナントBMP-2製剤と比較検討することでした。(結果は論文投稿準備中です。)

 プロジェクトの規模に対し、不十分な予算しか獲得できていないことや、臨床応用するために検討すべき項目が多数ありますが、製剤の上市により、難治骨折治療や脊椎・関節固定術後の骨癒合促進により、社会貢献したいと考えております。

 

当研究について、多大なら御支援と御指導いただいております、イノベーション再生医学講座の江藤浩之教授、高山直也准教授、また整形外科の大鳥精司教授・志賀准教授に感謝申し上げます。また研究を支えていただいている院生の先生方、スタッフの方々、研究を応援していただいております、同門の先生方にも心より感謝申し上げます。

引き続き、御指導御鞭撻の程、よろしく御願い申し上げます。

最後に、骨に限らず、再生医療の研究を進めてくれる大学院生がいらっしゃいましたら、一緒に頑張りたいと思います。(現在肩チームの寺川先生と、別プロジェクトを進めております。)興味がある先生は是非御連絡ください。宜しく御願いいたします。

 

 

 

発表後にオステオファーマ(BMP含有人工骨などを開発している企業)取締役の洲鎌先生にBMP-2について詳細に教えていただき、非常に有意義な討議が出来ました。