第11回日本舞台医学会学術集会 参加報告
更新日 2026.3.19
2025年3月8日、奈良にて開催された第11回日本舞台医学会学術集会(https://naraseikei.com/stagemedicine2025/)に参加いたしましたので、ご報告申し上げます。
当院からは2演題を発表いたしました。「音楽大学での講義や上肢メディカルチェックで見えてきたこと」(シンポジウム:「舞台医学のよりよい医療支援体制の構築を目指して」/整形外科 金塚 彩)、「音楽大学ピアノ科教員への演奏前ウォームアップに関するワークショップの取組み(続報)」(一般口演:「音楽家および舞台パフォーマー関連」/リハビリテーション部 近藤 敬一)です。また、舞台医学に関心のある学生・研修医・医療関係者向け特別企画「舞台医学の未来を拓く ~舞台医学を志す君たちへ~」では、当院脳神経内科の和泉未知子先生、船橋整形外科番町クリニック作業療法士の草木妙子先生が壇上ディスカッションに参加されました。
私からは、音楽大学で実施している講義および上肢メディカルチェックの取り組みについて報告しました。2023年度のメディカルチェックでは、教員および学生計82名を対象に調査を行い、約半数(53%)が演奏中に上肢症状(痛み・しびれ・動かしにくさ)を自覚していることが明らかとなりました。また、明らかな診断に至らない症例も多く、演奏特有のOveruseやMisuseの関与が示唆されました。さらに、フォーカルジストニアの早期疑い例を複数例検出し、早期介入につなげることができました。音楽大学でのメディカルチェックは、疫学調査としての意義に加え、現場のニーズ把握および円滑な医療連携の構築という役割を担うものと考えており、今後も継続していく予定です。
リハビリテーション部の近藤先生からは、音楽大学ピアノ科教員を対象とした身体的ウォームアップワークショップの継続的取り組みについて報告いたしました。スポーツ分野ではウォームアップの重要性は広く認識されていますが、音楽分野ではその実施率や体系的教育は十分とは言えません。2023年度の初回ワークショップでは実施率は0%でしたが、今年度は内容を改良し、「10分で実施可能なプログラム」に加えて解剖学・運動学の知識を取り入れたワークショップを実施しました。その結果、参加者の満足度は高く、「学生への指導にも活用したい」との意見も得られ、次年度より学生を対象とした展開を予定しております。
会場には医学生を含め若い世代の参加が多く見られ、懇親会では有志によるパフォーマンスも披露されました。特に当院脳神経内科の和泉先生によるギター弾き唄いは、その美声とともに会場を大いに盛り上げておりました。今後も舞台医学、パフォーミングアーツ医学(Performing Arts Medicine:PAM)に多くの方が関心を持ち、主体的に関わっていくことが期待されます。余談にはなりますが、草木先生とは春日大社周辺を散策する機会にも恵まれ、鹿せんべいを手に鹿に追いかけられるというイベントを久しぶり経験し、短時間ながら楽しいひとときを過ごさせていただきました。
最後に、本学会において奈良医科大学整形外科学教室の小川 宗宏教授より発表の機会をいただきましたこと、大変光栄に思っております。また本学不在中にご支援いただいた整形外科手外科グループならびに臨床試験部TRADチームの皆様に、心より御礼申し上げます。今後も舞台医学ならびにPAMの普及に努めて参ります。






