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2018 Osteoarthritis Research Society International (OARSI) World Congress in Liverpool に参加して

更新日 2018.5.14

平成24年卒 渡邉翔太郎

 2018年4月26日から29日にかけて、英国リバプールにて開催されました2018 Osteoarthritis Research Society International (OARSI) World Congressに参加させて頂きましたのでご報告致します。本学会はスポーツ膝グループが毎年参加しているOAに特化した最も大きな国際学会で、今年は佐粧孝久先生と大学院生4名(木村青児先生、小川裕也先生、小野嘉允先生、筆者渡邉)の計5名で参加致しました。佐粧先生が最近取り組んでいる膝OAの早期画像バイオマーカーについて発表しました(写真1)。

 学会では、Wntの阻害薬をはじめとするDMOADsの臨床治験がいくつか発表されているのが印象に残りました。DMOADsはこれまで多くの治験がなされながら、最終的には成功していないこともあり、一時期は下火となっていた感がありましたが、再度盛り上がってきているようです。DMOADsでは常にプラセボが比較的有効性が高く出るため、実際の有効性がどの程度となるものか続報に期待をしたいと思いました。ヒアルロン酸の関節内注射についても新たな製品が発表されるなど、これも下降線をたどる印象がありましたが、再び登場してきたようです。もう一点気付いたことは、OAを単にひとつの関節の疾患として捉えるのではなくフレイルやサルコペニアを含めた全身的な疾患との合併あるいはその中の一つの要素として捉えるような研究が多くなってきていることであり、日本での研究の方向性と類似しているように感じました。

 膝グループでの学会名物ともいえるエクスカーションでは世界遺産登録されている湖水地方を訪ねてきました。とても美しい新緑の季節を堪能することができました(写真2)。またリバプールはビートルズが生まれ出た地ですので、ビートルズを記念する施設などがあり我々もリバプール港埠頭にある銅像の前で記念撮影をしてきました(写真3)。

 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて頂きました大鳥精司教授、諸先生方、並びに大学での留守番を引き受けご協力してくださった先生方に深く御礼申し上げます。

来年はモントリオールでの開催予定です。次は自身が発表をできるように本学会で得た知見を今後の臨床、研究につなげていきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます。