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Summer Advanced Spinal Surgery Training Course in Kuala Lumpur参加記

更新日 2019.7.23

H27年卒
金 勤東

 2019年7月20日にUniversity Kebangsaan Malaysia Medical CentreでのSummer Advanced Spinal Surgery Training Course in Kuala Lumpurに参加いたしましたのでご報告いたします。

 出発する前日は大型台風による悪天候で飛行機遅延の恐れもありましたが、全員無事に現地に着くことが出来ました。マレーシアの気温は30度を超えていましたが、私のやる気がより熱かったおかげでさほど暑さは感じませんでした。
 今回は千葉の脊椎を代表する大変豪華な先生方が多数参加され、講義とカダバー実習で行われました。始めは成田赤十字病院第三整形外科部長の萬納寺 誓人先生の、胸腰椎のアプローチ、後方instrumentationについてなど基本から上級者向けのアドバイスまで幅広い内容のご講義が行われました。次は当科特任准教授の折田 純久先生のLIF、PSO、TESについてのご講義がありました。千葉大学の歴史から手術における解剖・手技などとても内容の濃い講義で、BasicなSpinal Cadaverと異なり、特に私達のような若手脊椎外科医が理解出来ていない歯痒いところや、術中陥りやすいpit fallについてなど詳しく勉強させていただくことが出来ました。
実習室にはX線透視装置を含む手術器械とインプラントが完備され、まさに実際に手術を行なっている感覚でした。
 1テーブルにつき受講生2-3人という大変恵まれた環境で、手を止めて見学している時間がないほど、主体的に参加することができました。私達のテーブルは後方の除圧、TLIF、Open pedicle screw、BKP、OLIF approachと多彩なクリニカルな手技を十分な時間をとって深く実習させて頂きました。他のテーブルではS2AI screwやL5/S 前方approach、PSO、TESもあったようで、参加者のレベルと希望に合わせたflexibleな実習内容でした。そして何より、エキスパートの先生方の、豊富な経験で会得された手技やtipsを、その場で濃縮して教えていただけたことが貴重でした。教科書や講義だけでは実感しづらい部分も、実際の手術の流れに沿って、手に取って教えていただくことで、理解しやすく身につけることができました。

 このセミナーを通じて、講師の先生方および受講者全員のSpine surgeonのPrideとPassionを感じることができました。今回の会をきっかけに私達は、この教えにさらなる熱意を持って後輩たちへ伝えていくことが、皆さんへの恩返しであると思いました。大変有意義なセミナーですので、同じ脊椎外科の道を選んだ同僚や後輩たちにも、ぜひ参加を勧めたいです。
 最後に、一日つきっきりでご指導を下さった石川 哲大先生、折田 純久先生、萬納寺 誓人先生、実習をご一緒頂きました稲田 大悟先生、志賀 康浩、井上 雅寛先生、弓手 惇史先生、沖松 翔先生、菱谷 崇寿先生、小林 樹先生、この会をマネージメントしてくださった皆様、そして私たちが不在の際医局を守ってくださった医局員に深く感謝申し上げます。