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第6回千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科例会 最優秀 賞/優秀賞受賞報告

更新日 2022.6.1

千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション部 理学療法士
深田亮/桑田麻由子

 2022年5月28日に第6回千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科例会が当院ガーネットホールで開催されました。本会において深田が発表した「病的骨折のリスクが高い転移性骨腫瘍症例に対する理学療法の効果」が最優秀賞を、桑田が発表した「術前の母趾位置覚障害を認める胸椎疾患手術例は歩行機能の回復が遅延する:前向きコホート研究」が優秀賞を受賞致しましたのでご報告させていただきます。

 

  「病的骨折のリスクが高い転移性骨腫瘍症例に対する理学療法の効果」の研究は病的骨折のリスクが高い場合、理学療法を実施することで病的骨折のリスクを高める可能性が従来考えられておりましたが、骨転移CBを実施後に理学療法を実施することで病的骨折を全例認めずに移動FIMが改善できた報告になります。

 

「母趾位置覚障害を認める脊髄腫瘍手術例では歩行機能回復が遅延する:前向きコホート研究」は、本研究の前に脊髄腫瘍を対象とした後ろ向き研究で母趾の位置覚障害が存在すると術後の歩行機能の回復が遅延したことを明らかにし、今回は胸椎疾患手術例を対象に前向きに調査した報告です。結果は胸椎疾患手術例において術前から術後まで母趾位置覚障害を認めると術後の歩行機能が遅延することが明らかになりました。一方、術前に母趾位置覚障害がある場合でも術後4週以内に母趾位置覚障害が改善すると、歩行機能が改善することが明らかになりました。

 

 今回の受賞に関して多大なるご助言、ご指導頂きました古矢丈雄先生、大鳥精司教授、さらに千葉大学頚椎グループの先生方にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。