第56回日本側彎症学会参加記
更新日 2022.11.7
第56回日本側彎症学会が、髙相晶士会長(北里大学医学部整形外科学主任教授)のもとで2022年11月4-5日にグランドニッコー東京ベイ舞浜にて開催されましたので報告させていただきます。
今回の学会テーマである『伝承と伝統、そして革新』の名の通り、レジェンドの先生方のご講演ではこれまでの側弯症治療の変遷に関して伝承していただき、シンポジウムや一般口演では新しい伝統が生まれ、そしてショートシンポジウムやディスカッションでは革新的な内容も発信されていました。
髙相晶士教授が会長で井上玄教授が事務局長とのことで、北里大学、千葉大学、筑波大学など多くの同門の先生方がご活躍されており、改めて千葉大学整形外科の同門の力を実感することができました。特に聖隷佐倉市民病院からは、計15演題という全国トップの演題数が発表され、その中でもショートシンポジウムの優秀演題賞にも2演題(木村さん、奥脇先生)が選ばれていました(下記参照)。2025年の第59回日本側彎症学会は小谷俊明先生(聖隷佐倉市民病院)が会長になることが決まっており、3年後の学会開催に向けての勢いも感じられました。
千葉大学関連施設、演題一覧(敬称略、順不同)
シンポジウム
・本邦における側弯症検診の歴史と変遷「側弯症検診における実態と課題、将来に向けた提言―JCOA 理事長・開業医の立場から」
新井貞男 あらい整形外科院長
・検診の実態と課題、将来に向けた提言-側弯症基幹病院の視点から-
小谷俊明 聖隷佐倉市民病院
・Flaccid 型神経筋性脊柱側弯症手術の現状と今後の課題
宮城正行 北里大学
・神経筋原性側弯症の手術成績と周術期合併症
井上雅俊 済生会習志野病院
モーニングセミナー
・座長
井上玄 北里大学
・側弯症手術における合併症を防ぐための工夫~いつ、どのように手術すべきか~
小谷 俊明 聖隷佐倉市民病院
ランチョンセミナー
・座長
大鳥精司 千葉大学
・側弯症手術療法の変遷
南昌平 聖隷佐倉市民病院
・術中脊髄機能モニタリング・現在までに開発された方法論で複雑な脊髄機能を確実に監視することが出来るのだろうか
玉置哲也 和歌山県立医科大学名誉教授
・脊柱変形における脊椎手術支援ロボットの実際
赤澤努 聖マリアンナ医科大学
エキスパートセミナー
・首下がり症候群の病態と治療
山崎正志 筑波大学医学医療系整形外科
一般演題
・座長
稲毛一秀 千葉大学
井上玄 北里大学
・腰椎変性疾患に対する単椎間後方固定術後の脊柱矢状面アライメントと患者立脚型アウトカム―局所前弯獲得は必要か?―
平松翔 松戸整形外科病院
・成人脊柱変形手術における同種血輸血に関するリスクファクターの検討
飯島靖 聖隷佐倉市民病院
・思春期特発性側弯症Lenke type1, 2における頂椎楔状化リスク因子と柔軟性への影響
奥脇駿 聖隷佐倉市民病院
・術後40年以上経過した思春期特発性側弯症患者の健康関連QOL
赤澤努 聖マリアンナ医科大学
ショートシンポジウム
・座長 豊根知明 昭和大学
・Lumbar Stiffness Disability Index を用いた術後 AIS 患者の日常生活動作の経時的変化
奥村太朗 聖隷佐倉市民病院
・思春期特発性側弯症手術は前屈動作に影響を与えるか?~長座位体前屈値を標準化した偏差値による解析~
野苅家舜 聖隷佐倉市民病院
・思春期特発性側弯症患者における脊椎可動性温存の重要性と健康関関連QOL
加藤木丈英 聖隷佐倉市民病院
・日本側彎症学会患者向けサイト「側弯症 TOWN」の閲覧者の解析
岩田秀平 聖隷佐倉市民病院
・側弯症装具治療における温度ロガーを用いた装具装着時間の実態調査 →優秀演題賞
木村弘美 聖隷佐倉市民病院
・脊柱後弯症患者の腰痛と身体機能に対する当院の理学療法の効果
望月江梨子 松戸整形外科病院
・思春期特発性側弯症において脊椎手術支援ロボットによる椎弓根スクリューが逸脱する要因:術前 CTナビゲーションとの比較
赤澤努 聖マリアンナ医科大学
・成人脊柱変形矯正手術の腰仙椎固定における術後ロッド折損の因子
佐久間毅 聖隷佐倉市民病院
・胸腰椎側弯症に対する胸膜外アプローチにおける胸膜損傷の発生は術後の呼吸機能を低下させない
佐藤康介 聖隷佐倉市民病院
・前後合併矯正固定術を施行した成人脊柱変形患者で術後に正中弓状靱帯と腹腔動脈起始部間の距離は変化するか
大山秀平 聖隷佐倉市民病院
・逆三角関数arctanによる回旋計測を用いた術後頂椎rotationの計測 →優秀演題賞
奥脇駿 聖隷佐倉市民病院
・思春期特発性側弯症に合併する腰椎分離症は上位腰椎レベルに多い~多施設間共同研究による46例の解析~
角南 貴大 聖隷佐倉市民病院