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Cement Stem Seminar ~明日の手術から使えるテクニック~に参加して

更新日 2023.9.20

R5年度入局
武田昌紀

フレッシュマンの武田昌紀と申します。

2023年9月10日に開催されたCement Stem Seminar ~明日の手術から使えるテクニック~に私を含め10名のフレッシュマンと股関節グループの大学院生が参加致しました。

 私はこれまで、人工骨頭置換術や人工股関節置換術の手術に入る経験が何度かありました。しかし、セメントステムを自分で挿入したことはなく、セメントに関して体系的に学んだこともありませんでした。術野が狭く、見えないところで手術が進み気づいたら終わっていたことも多々ありました。なんとなしに骨セメントを用いた手術は自分からはまだ遠い存在であり、必要があれば学べばよいかと思っておりました。

しかし、今回、飯田先生の講義で欧米を含めた最新の動向やエビデンス、Bone Cement Implantation Syndromeについてお聞きし、セメントステムについての知識が一気に増えました。数多くの論文のエッセンスが理解でき、セメントの柔らかさについても具体的に教えていただき、我々若手にもとても分かりやすい内容でした。

高澤先生にはローテ―ターの先生とご自身の手術動画を交えながら解説していただき、術者が気を付けていることや前立ちの先生の重要性について、自分が手術に参加しているかのように学ぶことができました。ブローチングを沈ませる深さなどを明確に示していただき、感覚で行っていた部分もありとても勉強になりました。

ハンズオンで初めてセメントを混ぜ、模型の髄腔内に注入し、ステムを挿入する手技を行いました。前捻を意識してステムを挿入するのが思ったより難しかったり、保存温度や撹拌のスピードで硬化時間が変わったりと、実際に触れることでの気づきが多くありました。他の先生の手技を間近で見ることも普段はなく、とても有意義な時間でした。

 今回、セメントステムについて一から教えてくださり、実用的な知識とテクニックを多く身に着けることができました。明日から実臨床で活用し、よりよい診療につなげていきたいと思います。

最後になりましたが、講師としてご指導いただきました飯田哲先生、高澤誠先生、宮坂健先生、大前隆則先生、瓦井裕也先生、矢野斉先生、協力していただきましたZimmer-Biomet社の方々に深く感謝申し上げます。