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第43回日本画像医学会参加記

更新日 2024.5.5

頚椎班
古矢丈雄 (H13卒)

 2024年2月23日-24日の日程で東京駅直結のステーションコンファレンス東京にて開催された第43回日本画像医学会で脊髄上衣腫に関しする発表を行いましたのでご報告致します。

 本学会は放射線科の先生方を中心とする学会で2日間にわたり5会場で32のシンポジウムが組まれておりました。プログラムは頭頚部、中枢神経、呼吸器、循環器、消化器、泌尿器等の各診療分野に分類され、それぞれ専門的な討議が交わされておりました。私は当院放射線科横田元先生のご紹介で脊髄上衣腫に関するシンポジウムに登壇させていただきました。同じセッションには私のほかに東京女子医科大学病理学増井憲太先生、千葉大学医学部附属病院画像診断センター羽柴淳先生のご発表があり、上衣腫に関する最近の話題を中心に病理学、放射線科、整形外科それぞれ立場での発表と総合討論が行われました。

 私は術中ビデオや画像を盛り込みつつ外科医の視点で上衣腫、退形成性上衣腫、粘液乳頭状上衣腫の話をさせていただきました。総合討論では退形成性上衣腫の一部が含まれると考えられているMYCN-amplifiedの臨床像および粘液乳頭状上衣腫の髄膜播種について主に議論されました。臨床上、予後不良で治療に難渋する、また、術後補助療法で悩む両腫瘍について放射線科、病理の先生の見解を伺うことができて、私自身も大変勉強となる発表でした。また、会場には当院の画像センター長藤本肇先生もいらしてくださいました。

 大学で脊髄腫瘍の手術を村上正純先生、大河昭彦先生から継承する形で10年余り行ってきましたが、今回は一つの区切りとなる大変良い機会でした。最後になりますが、このような貴重な機会を与えてくださいました横田元先生、お話を仲介いただきました当科牧聡先生に深謝いたします。