AO Spine Fellowship報告記
更新日 2024.10.5
AO Spine Fellowshipで8月に1ヶ月間、米国コロラド州デンバーにありますCenter for Spine and Orthopedicsで研修を行いましたのでご報告いたします。院長であるDr. Michael Janssenは米国で初めて人工椎間板置換術(TDR)を執刀した医師で、America’s top surgeonsにも選出されたことのあるTDR分野のパイオニア的存在です。脊椎外科医はDr. Janssenを含め4名とそれぞれにPhysician Assistant (PA)がついており、私と同世代のSpine Fellow1名で構成されています。
であり、また近隣の病院の手術室も使用し毎日手術が行われています。手術は毎朝7時30分入室で開始され、2〜3件行われ15〜16時頃には業務が終了していました。Private clinicでしたので外傷等の救急症例はみておらず変性疾患のみを対象としていました。
手術には手洗いをして見学させていただきました。内容は、日本の脊椎外科診療とも多くの共通点があり、ACDF、TLIF、PLF、首下がりなどの脊柱変形矯正手術などが頻繁に行われていました。これらの手術に関しては、手技や手術適応も日本と類似している点が多かったです。一方で、TDRは施設の特徴も影響しているとは思いますがかなり頻繁に行われていました。頚椎TDRは日本でも承認されていますが、日本では未承認の腰椎TDRも日常的に行われており、外来では10年以上の長期経過例もみました。また米国では腰椎TDRやALIFのアプローチを一般外科医が担当しており全米において腰椎前方手術は整形外科レジデントでも執刀するようなメジャーな手術の1つと聞きました。
仕事後や週末は隣接の州やコロラド州内を旅行をしたり、コロラド州は全米ビール生産量第1位でありデンバーのダウンタウンにはいくつもの醸造所があるので飲み歩きをしたりしていました。中でもBlue moonという醸造所のビールは日本でも販売されておりご存じの方もいるかも知れません。デンバー市内の本店やColorado Rockiesの本拠地Coors Field内のパブで飲んだビールはとても美味しかったです。
最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった古矢丈雄先生や牧聡先生、大学頚椎班の先生方に心より感謝申し上げます。この経験を今後の診療と研究に還元できるよう、一層精進して参りたいと思います。