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整形外科医を目指す女性に向けて

更新日 2019.5.20

布目愛紗 (平成28年度卒)

平成28年度卒の布目愛紗と申します。まだ入局2年目で諸先生方に迷惑を掛ける事も多い毎日ですが、日々楽しく整形外科医としての道を歩んでおります。

 

私自身まだ未熟で女性整形外科医とは何ぞや、なんて偉そうなことは何も語れませんが、進路選択は私も通ってきた道。ですので、進路に悩む女性研修医に向けて何かを発信できればいいなと思い綴っていきます。

 

私は千葉大学出身で、初期研修は2年間松戸市立総合医療センターで行いました。同期は18人中6人が女性。そのうち1人は既に結婚して子持ちでした。結論から言いますと、女性6人中5人が外科系(救急2人、脳外科1人、小児外科1人、整形1人)に進んでいったのです。そんな異常な?同期がいてくれたことや、女性整形外科医の先輩方が周りにも何人かいらしたため、私自身が整形外科の道を選ぶことに全く不安はありませんでした。さて、そんな彼女たち、初期研修医を始めた時点では、外科系に進むことを考えていたのは2人だけでしたので、初期研修中の様々な刺激はここまで今後の人生を大きく左右するんだなと驚いたものです。ちなみに私は元々消化器外科医志望だったのですが、研修中に整形外科の面白さや整形外科の雰囲気の良さに影響されて進路を変更しました。初期研修中は多くの診療科を回り、どの科でも面白いな、と感じる何かはあると思いますし、学会発表などで長い時間関わった先生とはそれなりに仲良くなったりするものです。いつどこで人生が変わるかわかりませんので、どんな人との出会いも大事にすべきですね。

 

そして現在。知識や技術はまだまだ発展途上ですが、女性として仕事上困ることや役立つことを色々見つけました。どうしても困ることは2つ。力が弱いこと(手術器具ってなんでこんなに大きくて重いの?思うことがあります。手術時間もどうしても長くなってしまう)と背が低いこと(足台は必須です)、ですが出来ないことはありません。側弯手術で使うロッドだって頑張れば折れます!!力だって弱くても力の使い方を工夫すればいいのです!あとは透視が気になるところですが、プロテクターとゴーグルで完全防備して、時間・距離・遮蔽に常に気をつけるようにしています。ライフワークバランスについてはきっと同期の山川が書いてくれると思うので割愛します。一方で女性としてのメリットとしては、スタッフや患者さんが話しかけやすい(人間関係を円滑にできる、かもしれない)ことではないかと思います。医療従事者はやはり女性が多いですからね。女子ならではの些細な会話を気軽に出来ないのは正直少し寂しいです。でもそんな時は看護師さんや薬剤師さんと仲良くなるチャンスです。いつのまにか人間関係が円滑になり、それが巡り巡って患者さんのためになっていたりするのかな、と前向きに考えています。

 

女性医師は男性医師に比べて生きづらい(体力面、初対面で医者と思われない、これってセクハラ!?と感じることは無きにしも非ず)とは感じます。でも女性として出来ることは、きっともっともっとたくさんあるはず。

 

外科系を目指している女性へ、もし整形外科もいいなと思っていれば、是非1度見学に来てくれたら嬉しいなと思います。