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初めての出産・育休を終えて

更新日 2023.4.10

千葉大学 整形外科
戸口 郁(H26年卒)

この文章を書いている現在も、育児と仕事の両立に悩み・これでいいのか?と悶々とすることが少なくない日々です。
私の一経験について素直に書かせていただくだけですが、今後の後輩の皆様の一助になれば幸いです。

 

H28年に入局し、5年間の後期研修を経て大学院生として大学病院へ戻ることとなりました。
大学へ戻る直前に妊娠が分かり、秋から産休に入らせていただく予定で大学病院勤務が始まりました。
妊娠中は想像以上に体が思い通りにならない場面がありました。ちょっとした診察手技で腰を痛めてしまったり、お腹の張りを感じて怖くなったり、これまで多少は体力に自信があっただけにショックを感じ、産休に入る秋までまともに勤務できるのか…と持ち前のネガティブ気質も発揮され、不安たっぷりでした。

 

「産んでからの方が大変なんだよ」と周囲から言われ、復職の時期やその後の働き方など、考えても決められないことばかりで、もう頭の中はぐちゃぐちゃでした。
無事出産を終え、育休中は初めての育児にとにかく必死で、体力・体調もなかなかに脆弱で、とても仕事を再開するなど不可能に思えました。
今振り返れば、いわゆる産後メンタルでずいぶんと心が弱っていたことも大きかったですが、仕事から一旦離れ、初めて育児を経験する中で誰しも同じような思いを抱えることがあるのではないかと思います。

仕事への戻り方に悩んでいる時に、上司の先生からのご提案もあり外来のみの勤務形態で産後5ヶ月で復職をしました。この時に声をかけて頂けたことが、自分では行動を起こせないほど仕事に対して弱気になっていたあの時期にはとても有難かったです。

 

主人が同門の医師であり、医局の先生方のご理解・ご厚意もあり主人もその後育休を取得させて頂きました。その間、私はフルで勤務することが出来、少しずつ仕事をする楽しさと自信を取り戻すことが出来ました。

 

今回初めての妊娠・出産、育休、復職と経験しましたが、周囲に相談することが下手だったり、個人的に反省点がたくさんありました。
ただ、やはりそれぞれの家庭で事情は当然異なるので、復職の仕方や育児をしながらの働き方を決めることは、誰にとっても難しく悩ましいと思います。
私は主人が同じ整形外科医で、産後働き方が変化しても私がやりたいと思っていることや、そのために協力が必要なこと等色々と話し合いました。主人が育児に専念する時間があったことで、彼の育児に対する考え方にも変化があったようで、今はお互いに仕事と育児を担っていき、上手く分担・協力するために、その都度話し合うようにしています。

 

千葉大整形外科は大鳥教授をはじめとして、育児と仕事の両立や産後の変化する働き方への理解がとてもある医局だと思います。先輩や同僚の先生方のご理解、ご協力なしには成り立たない事ですので、周囲への感謝を忘れず、自分に出来るかたちで今後も医局へ貢献していきたいと考えています。